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ブナの実の特徴は?どんな木?葉っぱや花の特徴や季節は?分布はどこ?

ブナの実の特徴は?どんな木?葉っぱや花の特徴や季節は?分布はどこ?

2018年10月13日

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こんにちは!樹木博士です!

今回は「ブナ」という樹木について解説していきます!

 

ブナはけっこう有名なので、知っている人も多いと思うのですが、実がとても美味しいって知ってましたか?

 

その味はクルミのような感じです!

 

ブナの実を見つけたら、一度食べてみてくださいね!



ブナってどんな木?特徴は?名前の由来はなに?

 

“ブナの木”という名前を、一度は聞いたことがありませんか?

 

ブナは、ブナ科ブナ属の落葉高木(高さが5mを超えて冬になると葉が落ちる木のこと)です。

 

日本の温帯の代表的な樹木で、“森の女王”とも呼ばれているんですよ!

 

別名も数多く、“白橅(しろぶな)”“橅の木(ぶなのき)”“ホンブナ”“ソバグリ”“ソバグルミ”“ソバ”“ソバノキ”“コハブナ”など、なんと8つもあります!

 

そんなブナも、木材として加工されると、“ビーチと名前が変わります。

 

ブナは成長すると高さ30 mほどに達し、樹皮は灰白色できめが細かいのが特徴なんですよ。

 

成長は遅いものの、長い年月をかけて直径2m近くの大木へと発展するんです。

 

よく樹皮に、コケに似た地衣類(菌類や藻類が共生したもの)などが着いて、独特の模様を構成しています。

 

 

その一方で、若い枝は褐色で光沢があるんです!

 

それに、1つ驚きの事実があるんですよ!

 

なんと、ブナは成長するにしたがって、根から毒素を出すんですよ!

 

え~!と思いますよね!?

 

その結果、一定の範囲の元気なブナは残りますが、その他のブナは毒素によって衰弱して枯れてしまんです。

 

ブナによるブナの剪定ですね…。

 

でも、時折2本のブナが双子のように生えていることがあるんです。

 

これは、実の中に2つある同じ遺伝子型の種が成長したため、双子のように生えてるんですね。

 

そんなブナの名前の由来ですが、少々胡散臭いんです…(笑)

 

ブナ林を渡る風が「ブーン」となることから、<ブーンとなる木>→<ブナの木>になったという説があります!

 

う~ん。し…信じましょう!(笑)

 

また、ブナは漢字で表すと“橅”と書き表します。

 

<材が狂いやすい><腐りやすい>ということから、材木としては使い物にならない、<“木”では“無”い>というところからきています。

 

けれども実際は、山形県にある山寺(立石寺)や一部の寺社の御堂にはブナ材を使用しているんですよ。

 

ちょっと矛盾していますよね(笑)



ブナの実の特徴や時期、季節は?味は美味しいの?

 

 

ブナの実は、トゲのある殻に包まれているんですよ!

 

完熟すると殻が割れて落ちるので、栗を想像していただくとわかりやすいです。

 

野鳥やリス、特に日本では冬眠前の熊にとっては大事な食物になんです。

 

ブナの実が不足の年には、ニホンツキノワグマが人里に下りてきてしまうことがありました(2003年)。

 

といっても、ブナは5~10年に一度豊作になるくらいで、あとはだいたい不作なんですけどね…。

 

ブナの果実は総苞片(そうほうへん)という花の集まりを保護する葉のようなものに包まれています。

 

10月頃に成熟し、その殻斗(かくと)が徐々に4つに分裂し、木から落ちるんですね。

 

ちなみに“殻斗”とは、どんぐりの帽子の部分の名前です。

 

殻斗に包まれた2個の果実の中の胚乳は渋みがないのが特徴で、脂肪分も豊富なんです!

 

なんと!生のままで食べることもでき、おいしいんですよ

 

味はくるみをイメージするとわかりやすいでしょうか。

 

濃厚な脂肪分を持った甘みで、さくさくっとした食感もあるので、食べだすとハマってしまいます♪

 

種子にはタンニンなどの毒がないため渋みが感じられず、マツやオニグルミの実に次いでカロリーが高いです。

 

その栄養の豊富さから、食用はもちろん灯油や食用油にも使われているんですよ。

 

先ほども言ったように、山の動物たちの貴重な食料にもなるのですが、ブナが豊作だと、野ネズミが大繁殖すると言われているんです!

 

そんな大繁殖した動物たちに、実を全部食べられないようにするために定期的な豊凶の年があります。

 

この現象のことを“マスティング”と言います。

 

ただ、定期的と言っても規則的なものではないんですけどね。

 

次の豊作は、5年後、もしくは7年後、8年後、10年後かも知れない。

 

なので、豊作の年に爆発的に繁殖した動物たちは食糧難で苦しむと言われています。

 

あと、ブナは成長が遅いので、地面に根を下ろしてから実をつけるまで約50~60年ほどの年月を要します

 

実をつけるまでに50~60年かかって、その後は5年〜10年に一度しか実をつけない…

 

実をつけること自体が珍しい木なので、昔から“ブナの実一升、金一升”といわれるほど大事にされてきたんですよ。



ブナの葉っぱの特徴は?

 

ブナの葉の本体は卵形ですが、よく見ると葉のふちが波状になっているのが特徴なんです。

 

 

葉は一つの節に対して互い違いに生えており(互生)、薄くてやや硬めです。

 

若葉には長い軟毛があるのですが、後に毛はなくなってしまうんです。

 

細かな毛が銀色に輝いて、とてもきれいなんですよ!

 

秋には黄葉や紅葉を楽しめます♪

 

そんな美しいブナの葉ですが、タマバエ科の昆虫による虫こぶがつきやすいんです

 

なんと26種類もの虫こぶが知られています。

 

“虫こぶ”とは何ぞや!と思われる方もいるでしょう。

 

さまざまな虫が、植物に寄生することでできる部分のことで、多くはこぶ状になることから“虫こぶ”と呼ばれているんです!

 

 

ブナの葉にできる虫こぶの名前は、“ハアカゲタマフシ”と言います。

 

表面は淡い紅色の、柔らかな綿状の毛で被われていて、とても美しい虫こぶなんですよ!

 

まるで、葉に実がついているようですよね!

 

虫に寄生されてできたなんて思えません。

 

虫が羽化すると、やがて虫こぶは地上に落下してしまいます。

 

ブナの葉の分解は、とってもスローペースで行われます。

 

その分解が、最近によるものであれば、土壌が改善されるのですが…

 

主にキノコによって分解される環境だど、酸性の粗腐植が作られるんです。

 

そうすると、他の土壌生物が土壌を良くしようとする活動を阻害してしまのです。

 

そのため、“森の養母”とも賞賛される一方で、粗腐植の主要因としてあまり良くないといわれることもあるんですよ。



ブナの花の開花時期や季節、特徴は?

 

ブナの花は、5月頃に葉が広がるのと同時に開花するんですよ!

 

雌雄同株といって、1本のブナの木に雄花と雌花が咲くんです

 

雄花は枝先からぶら下がった柄の先に6~15個付きます。

 

ブドウのように、房状になるのが特徴ですね。

 

その一方で、雌花は枝の上部に、上向きに花をつけます

 

 

“頭状花序(とうじょうかじょ)”と言って、花軸の先端がお皿のように広がり、柄のない花を複数咲かせるんですね。

 

タンポポやひまわりを想像するとわかりやすいですよ!

 

雄花が花粉を飛ばして、風の力で雌花に受粉させるので、受粉に虫は必要ないんです

 

そんなブナの花は、4~5年に1回ほどしか咲きません。

 

6~7年に一度大量な花をつけることがありますが、20mほどの高い位置に咲くために、なかなかお目にかかることは少ないでしょう。

 

そんなレア度の高いブナの花ですが、はっきりいって地味ですね!!

 

これは目立たないようにして、鳥に食べられないようにする、ブナの作戦なのでしょうか?(笑)



ブナの分布は?どこに生えているの?

 

木なので、基本的に山地に生えています!

 

って当たり前ですよね、すみません(^-^;

 

北海道の渡島半島から九州までの広~い範囲の低山帯に分布している、日本を代表する木です!

 

今のところ一番北では、北海道の黒松内低地帯が北限と言われており、これより北では1本の生育も確認できていないんですよ。

 

ちなみに一番南は、鹿児島県の高隅山に生息しておりM1000m前後の稜線沿いにわずかに分布しています。

 

特に有名なのは、青森と秋田の間にある白神山地のブナ林ですよね。

 

 

世界遺産にも登録されていますね!

 

白神山地以外以外でも、岐阜県・石川県・福井県・富山県にまたがる白山、福島県只見町周辺に、広大なブナ林を見ることができますよ

 

ブナは、その迫力のある樹形から“山の王様”とも呼ばれているんですよ。

 

最初に言ったように、ブナには呼び名がたくさんありますね

 

更に言うと、日本海側に生息するブナは葉が大きくなることから、これを“オオバブナ”と呼ぶんです!

 

そして、太平洋側のブナのことを“コハブナ”と別することもあるんですよ!

 

ブナは日本だけに散布していると思いきや、なんと日本以外にも北半球の温帯に約10種類が分布しているんです。

 

スケールが違いますね(^-^;

 

ブナは、寒い地方では低地に生え、暖かい地方では高地に生えるのですが…

 

基本的にどんな土壌でも繁茂するように、場所は問いますが土は特に問わないんですね。

 

その繁殖力は凄まじく、ドイツでは森の成長を自然に任せると、大部分はブナ林か混交林になってしまったそうです。

 

しかし、日本ではブナの伐採後にスギが植えられたことにより、ブナ林が大幅に減ってしましました。

 

先ほど述べた“白神山地”は、保護運動の末に最後に残ったまとまった天然林なのです。

 

ブナの木は、円筒状に曲げやすいため太鼓の胴に使われることが多いんですよ!

 

そのほかにも、家具の足として好まれたり、紙パルプやスキー板、ベニヤ材、玩具材、なんとブラシの柄などに使われたりしているんです!

 

何気ないところで、ブナが活躍しているなんて、驚きですね!

 

日本では平安時代後期から鎌倉・室町時代にかけて、漆器の椀・皿の普及品の材料として欠かせないものとして、重宝していました。

 

とっても歴史のある木なんですね!



ブナの花言葉や木言葉を紹介!

 

花言葉はよく耳にしますが、“木言葉”というのもあるんですよ!

 

ブナも木ですから、もちろん木言葉がありますし、花をつけるので花言葉もあります!

 

花言葉は<独立><勇気>、ブナの木言葉は<繁栄>です。

 

立派にそびえ立つ様子から、<独立>ということばがぴったりですよね!

 

木言葉は、ブナの凄まじい生命力にぴったりですね。

 

家を新築したときやこどもの誕生記念にぴったり!と思いきや…

 

残念ながらブナは庭木向きではありません。

 

盆栽での楽しみ方もあるので、小さな記念樹として購入するのもよさそうですね。

 

 

まとめ

 

今回はかの有名な“ブナ”についてまとめてみました!

 

ブナの木について、たくさん知ることができましたね!

 

今回の記事について簡単にまとめると…

 

・成長に時間はかかるが、直径2m・高さ30mほどの大樹に育つ!

 

・ブナの実は、生で食べることができて、しかも美味しい!

 

・ブナの葉には、銀色に輝く軟毛が生えている。

 

・“ハアカゲタマフシ”と言われる、淡い紅色の虫こぶができる。

 

・5月頃に、葉が開くのと同時に花が咲く!

 

・1本のブナの木に雄花と雌花が咲く

 

・4~5年に1回ほどしか咲かないというレア度の高さ!

 

・一番北では、北海道の黒松内低地帯、一番南だと鹿児島県の高隅山と広く分布している!

 

・日本でブナ林が見られるのは、白神山地か岐阜県・石川県・福井県・富山県にまたがる白山、福島県只見町周辺

 

いかがでしたでしょうか?

 

ブナの花の開花時期には、是非山を散策してみてください!

 

花が見られるかもしれませんよ?

 

その際は、後ろにひっくりかえらないようにご注意を!(笑)



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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。 小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。 そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw 樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!

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