アカマツってどんな木?特徴や分布は?花や実、葉の時期や特徴も解説!
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こんにちは!樹木博士です!
今回は「アカマツ」について解説していきます!
アカマツって普通の樹木とは違って、ちょっと特徴的な花を咲かせます。
どんな花が咲くのか知っていますか?
この記事で確認して行ってくださいね!
あなたに伝えたいこと
アカマツの特徴は?どんな木なの?
アカマツ(赤松、学名:Pinus densiflora)は、マツ科マツ属の常緑針葉樹です。
別名はメマツ(雌松)とされています。
常緑針葉樹というと少し難しいですが、常緑とは、“常緑樹”のことで、1年中緑の葉を付けている樹木のことですね!
そして、針葉とは“針葉樹”のことで、固く細い針状、あるいはうろこ状の葉のことを指します。
円錐形または傘形をしていて、木のてっぺんがとがった形のものが多いんですよ!
つまりは、1年中緑の葉を付けた、固い針状の葉を持った木ということですね。
マツ属は、短枝と呼ばれる枝の一種に葉が数枚ほど束になってつくのですが、2枚、3枚または5枚が束になって生えていることが多いんです。
アカマツは2枚生えてくるため“二葉松”とされます。
また、二葉松は2つの維管束(植物が生きるために必要な水分や養分を運ぶ管)をもっているため、複維管束亜属に分類されるんです。
アカマツの樹皮はその名の通り赤褐色で、傷をつけると粘りのある樹液が出ます。
後に琥珀のような淡黄色の塊となり、見る角度によっては宝石のようですよ!
アカマツは日当たりの良い場所を好み、乾燥にも強いので、尾根筋に多く見られます。
初めの2〜3年は生長がゆっくりですが、、それ以降急に伸びるはじめ、樹高は30~35mにもなるんですよ!
成長に伴い樹皮がうろこ状に剥がれ落ち、樹齢が10年を過ぎたころから幹が赤茶に見えるようになってきます。
幹は直立またはやや曲がっており、建物の梁や棟木梁や棟木としても利用されていますよ♪
アカマツの花の特徴や開花時期は?
アカマツの花は、皆さんがイメージしている“お花”とは異なりますが、しっかりと花を咲かせますよ。
↓↓アカマツの花はこちらです。↓↓
ちょっとイメージしている花とはちがいますよね(笑)
アカマツの花は雌雄異花(しゆういか)といって、オスの花の“雄花”とメスの花の“雌花”が存在するんです!
そして、雌雄同株(しゆうどうしゅ)といって、雄花と雌花が一つの株に咲くタイプの植物なんですよ!
雄花は黄色の楕円形で、若枝の株に複数個咲きます。
その一方で、雄花が咲き終えるころになると、紅紫色の雌花が若枝の先に2~3つ咲きます。
雌花は小さく、かつ高い一に咲くためなかなか見つけにくいんです。
そんなアカマツの花の開花時期は、4~5月頃です!
しかもその頃、大量の花粉を散布するので水たまりの表面が黄色くなるほどの量なんですよ!
スギ花粉がピークの頃であまり注目されませんが、アカマツも相当な花粉を生産していますよ!!
でも、マツの花粉で花粉症になるケースは少ないようなので、花粉症の方は一安心ですね。
(とは言っても、なる人はなる可能性があるので、花粉を触った手で目や肌に触れないようにしてくださいね!!)
アカマツの実の特徴や時期は?
マツといえば、“まつぼっくり”ですよね!!
誰もが知っているまつぼっくりは、マツの果実なんですね。
アカマツのまつぼっくりは、3~6センチほどで、クロマツという種類のものと比べるとやや小ぶりです。
まつぼっくりの笠と笠の間には、種子が入っているんですよ!!
種子は長さ4〜5mmで灰褐色をしています。
種子には長さ1〜1.5cmほどの翼があり、その翼のおかげで鳥や虫に頼ることなく、風の力で遠くに飛ばすことができるんですよ♪
種子の約3倍もの翼がついているんですね!!驚きです!!
秋になり熟して松笠が開くことで、種子を飛ばしているんですね♪
余談ですが、松笠は乾いていると開きますが、湿った状態では閉じるので、筆者は子どもに「魔法だよ~!」と言って見せていました(笑)
バケツに水を張りまつぼっくりを入れると閉じ、水から揚げて置いておくと翌朝には開いているので、子どもが「面白い~♪」と喜びますよ!
是非お試しあれ♪
アカマツの葉の特徴は?
アカマツの葉は細く柔らかいので、他のマツのように触ってもそれほど痛くありません!
針葉樹はその名の通り先の尖った硬い葉が多いので、その柔らかさはアカマツの特徴といえますね。
クロマツとよく似ていますが、触ってもクロマツほど痛みを感じません。
そのため、クロマツが“雄松”と言われているのに対して、アカマツは“雌松”と呼ばれることもあるんですよ!
アカマツの分布は?どこに生えているの?
天然のアカマツは、本州から四国、九州、朝鮮、中国北東部まで分布しています。
日本産のマツの中で最も広い範囲に分布しています。
東アジアの山地を原産としており、温暖な土地に多いものの、クロマツに比べるとかなり寒冷な気候にも耐えることができるんですよ!
なので、北海道(南西部)にも植林されているんです。
アカマツは山地で見ることができますが、植林したものか自生したものかの判別が難しいんです。
でも、北海道南部で一部天然林化しているところもあるんだそうです。
八ヶ岳山麓の美しの森山(海抜約1,500 m)にも、大規模な群落がみられますよ!
アカマツと松茸には深い関係がある!?
アカマツがなくては、あの高級食材は採取できません!!!
そうです!マツタケです!!!
私たちは秋になると必然的にマツの恩恵を受けているんです。
マツタケはアカマツの根に寄生する菌(菌根菌)の菌糸が、地上に伸びてキノコになったものなんですよ!
マツタケはただの副産物・・・と思われがちですが、そうではないんですよ!
もちろん、マツタケはマツから養分(炭水化物)をもらって生活しています。
でも、マツもマツタケによって土から水分や養分を吸収するのを助けてもらっているんです。
お互いに助け合って生きているんですよ!
その助け合いの証を、私たち人間はおいしくいただいているんですね。(笑)
アカマツは絶滅の危機にあるって本当?
北海道をのぞく日本各地で、アカマツとクロマツが短い間に何度も枯れてしまう“松枯れ”起きました。
この現象は明治中ごろから起こっているのですが、一体どうしてなのでしょうか・・・。
その原因は、日本に昔からいる“マツノマダラカミキリ”と、外来種の大きさ1㎜にも満たない“マツノザイセンチュウ”によるものなんです。
マツノザイセンチュウはマツノマダラカミキリによって木の中に入り込み、水の通り道をふさぐことで木を枯らしてしまいます。
また、林の手入れや間伐がされなくなったために、病害虫に対しての抵抗力が落ちた・・・という説もあるんです。
今のところ、マツを守る方法は農薬しかないのです。
以前は薪炭用にする目的でたくさん植林されたものの、害虫被害で減ってきています。
木に負担を掛けずに、害虫を駆除する方法が見つかると良いですね。
まとめ
今回は、あの高級食材の生みの親“アカマツ”について解説しました!!
マツタケ=マツというイメージはありましたが、マツタケが生育するためにはアカマツが必須だったのですね。
そんなアカマツについて、まとめて終わりたいと思います♪
・アカマツはマツ科マツ属の常緑針葉樹で、別名「雌松」
・アカマツは二葉松とされており、複維管束亜属に分類
・樹皮は赤褐色で、傷をつけると粘りのある樹液がでる
・アカマツの花の開花時期は4~5月頃で、大量の花粉を出す
・果実=まつぼっくりで、種子には3倍の長さの翼がついている
・葉は細く柔らかい
・本州から四国、九州、朝鮮、中国北東部まで分布
・害虫被害によるアカマツの減少が深刻
以上がアカマツについてのまとめです!!
マツはいつでも緑の葉をしているので、長寿や不老不死を思い起こさせる植物として、古来から愛されてきました。
そんな日本のマツを虫被害から守るために、何か有効な方法がありましたら、教えていただきたいです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!
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