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ヒイラギナンテンの花言葉!花や葉の特徴は?実は食べることができるの!?

ヒイラギナンテンの花言葉!花や葉の特徴は?実は食べることができるの!?

2018年10月25日

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こんにちは!樹木博士です!

今回は「ヒイラギナンテン」という樹木について解説していきます!

 

さて、ヒイラギナンテンの実は食べられると思っている人が多いようですが、あなたはどう思いますか?

 

答えはこの記事でご確認くださいー!



ヒイラギナンテンの花言葉を紹介!

 

ヒイラギナンテンの花言葉は、「激しい感情」「激情」「愛情は増すばかり」です。

 

由来は、「激しい感情」「激情」については、葉の形から、「愛情は増すばかり」については、花と実の色や形からきているようです。

 

どんな葉や花や実をつけるんでしょう?興味が湧いてきましたよね?!



ヒイラギナンテンの特徴や名前の由来は?

 

ヒイラギナンテン(柊南天)は、メギ科メギ属の常緑低木(じょうりょくていぼく・一年中緑の葉をつける、樹高約3m以下の木)です。

 

別名「トウナンテン」。

 

遠めに見た感じはナンテンに似ていますよね?

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比べてみましょう、こちらはメギ科ナンテン属のナンテンです。

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ヒイラギナンテンの枝はあまり分枝せず、株立ち(1本の茎の根元から複数の茎が分かれて立ち上がっている形)になり、樹高は約1m~2m(稀に4mほどに成長することもあります)、丈夫な木でどこでも育つことから、公園などによく使われるほか、庭木としても多く植えられています

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成長が遅く、大きくなりにくいので、管理に手がかからず、葉っぱに棘があることから、公園などで「立ち入り禁止」にしたいところに植えられたり、特徴を活かした使われ方をしています。

 

栽培が易しく、極めて丈夫な樹木ですが、乾燥に少し弱いところがあるので、極端に水ハケがよい場所、日当たりが良過ぎる場所などでは枯れてしまうこともあります、そうでない場所では基本的に放置しておいてもだいじょうぶです。

 

また、耐暑性にも優れていて、病害虫の発生もほとんどないのですが、寒さにはやや弱く、露地栽培する場合は東北地方以南の地域が適しています。(アケビコノハという蛾の幼虫は、葉を食害します、対処法は、見つけたら駆除でよいでしょう)

 

日当たりを好みますが、日蔭でもよく育ちます、葉の色が日向では黄赤色、日陰では濃緑色と違ってきます。

 

名前の由来は、葉がヒイラギに似ていること、実はナンテンに似ていることとされています。

 

このヒイラギナンテンは、花が可愛くてキレイなんですよ!さっそく見てみましょう!



ヒイラギナンテンの花の特徴や開花時期は?

 

ヒイラギナンテンの花は、1月末くらいから幹の先端に数本の総状花序を出し始め、2月~4月にかけて、黄色い花を多数咲かせます。

 

花序(かじょ)とは、枝の上での花の並び方、花の集団のことで、総状花序(そうじょうかじょ)は、花柄(花を支える茎)のある花を花軸にふさのような形につけるもののことです。(花軸の下の花ほど長い柄をもつので、三角錐状になります)

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花は花序の根本の部分から咲き進み、通常、下に垂れた形になります。

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僅かにスイセンのような芳香があり、花も葉も美しいため、生け花などに使われるので、出荷用にも栽培されています。

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花径(かけい・開花した花の大きさ)は約7mmで、外側の萼片が小さいものを含めて9枚、内側の花弁がそれぞれ6枚、6個の雄しべの中心には太い雌しべがあります。

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この花、雌しべに触ると、その外側にある雄しべが動くんです、雌しべの方へ。

 

これは、花に昆虫が訪れると、内側に動いて花粉を雌しべにつけるため、昆虫の体に花粉を付けて、ほかの花へ運ばせるためだと考えられます。(まだ寒い時期に咲くので昆虫が少なくても効率よく受粉できるようにするためとも言われています)

 

葉をまだよく見ていませんでしたね?ヒイラギに似ているっていわれているんですけど・・・



ヒイラギナンテンの葉の特徴は?

 

ヒイラギナンテンの葉は、棘があるのが特徴です。

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ヒイラギと名が付く植物はいくつかありますが、その中でも、ヒイラギナンテンの葉の棘はいちばん鋭く、触れようとするものを寄せ付けないような迫力があります。

 

この葉が「激しい感情」「激情」を表現しているかのように見えることから、花言葉の由来となったそうです。

 

奇数羽状複葉で、互生し、小葉は硬く、鋸歯は棘となります、って言われてもわかりにくいですよね?

 

まず、奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)とは!… 複葉(ふくよう)からして何のことでしょう?葉の平らな部分が複数の部分に分かれている葉です、分かれている部分を小葉(しょうよう)といい、小葉が葉軸の左右に鳥の羽状に並んでいるものが羽状複葉、さらに軸の先に1枚小葉がついているものを奇数羽状複葉といいます。

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↓↓↓↓(これが1枚の葉)

 

次!、互生(ごせい)とは! 枝への葉のつき方で、ひとつの節に1枚の葉がたがいちがいにつくもののことです。

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ヒイラギナンテンの場合は上から見ると放射状に葉が出ているような独特の形になります(1枚の葉が大きく長く、密生しているので幹や枝がよく見えないくらいです)

 

そして、鋸歯(きょし)とは! 葉の縁にある、ギザギザの切れ込みのことです。

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日向に植えたものは、冬になると気温の低さから赤褐色に色づき、紅葉しているかのように見えます。

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ヒイラギナンテンは、縁起の良い樹木とされています。

 

その理由は、ヒイラギは、葉に棘があることから邪鬼の侵入を防ぐと言われ、古くから庭に植えられていること、ナンテンは「難転」 と同じ読みであることから、難を転じて福となすと言われ、その縁起の良い樹木の名前が2つも入っているからです。

 

さて、このギザギザの葉を持つヒイラギナンテンはどんな実をつけるんでしょう?ちょっとだけ言うと、葉の棘からは想像しにくいような小さくて可愛らしい・・・、続きは次の章で!



ヒイラギナンテンの実の特徴や時期は?食べることができる?

 

ヒイラギナンテンの実は、ナンテンの実に似ているといわれますが、ナンテンの実は赤色、ヒイラギナンテンの実は青紫色です。

 

こちらはナンテンの実

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これは、ヒイラギナンテンの実

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あまり似ていないという人がほとんどなんですけど・・・。(名前の由来は雰囲気がナンテンに似ているからという説もあり、私もそうじゃないかな?と思ったひとりです)

 

ヒイラギナンテンの実は、初夏には緑色をしています。

↓↓↓↓

 

秋に熟すと青紫色になります。

↓↓↓↓

 

花と実はとてもキレイでしたね、これがもうひとつの花言葉「愛情は増すばかり」の由来で、手をかければかけるほど、庭に植えてあるヒイラギナンテンへの愛情は増すばかりになるのだそうです。

 

この果実は液果(えきか・多肉化した果皮が成熟後も水分を多くもっている軟らかい果実)で、長さ約5mmの卵形をしています。

 

さて、これは食べられるのでしょうか?(実を見ると、いつも湧いてくる自然な疑問です… 私だけ?w)

 

食べられないこともないみたいですw(毒はないとのこと)。

 

味は、生食してみた人によると、苦くて酸っぱい、薬っぽい味がする、甘さがない、不味い、のだそうで、日本では食べないようです。

 

日本では食べない?ということは・・・海外では?、ミューズリー(穀物、乾果、ナッツ、蜂蜜などに牛乳を加えたもの)、ポリッジ(オートミールを牛乳で粥状に煮たもの)に入れて食べると酸味があるので特に生が良いが、残念ながら種が多い、ということです。(西洋のどこかの国では食べるんですね、土壌の違いであまり不味くない実がなるのかも)

 

可食部ということではありませんが、中国では、根、茎、葉などを解熱・解毒に効能がある「十大功労葉」という生薬としていたこともあったとのことですが、現在ではそういった用いられ方はしていないようです。

 

日本でもヒイラギナンテンの幹や枝などを煎じて飲めば扁桃炎や口内炎に効くとする民間療法があるようです、薬用成分「ベルベリン」等が含まれ、幹の断面が黄色いのはそのためだということです。

↓↓↓↓

 

ナンテンは、茎や枝に抗菌力のある「ベルベリン」が含まれていることが医学的に証明されていますが、同じく幹の断面が黄色なので、ヒイラギナンテンにも少しくらいは抗菌力があるのでしょう、病害虫がほとんどつかないのはその証拠かも?

 

ヒイラギナンテンは、なんとなく和風な感じなので、日本が原産かと思われることがよくあるんですが、まだ、渡来してから歴史が浅い樹木なんです・・・、どこから?いつ頃?渡来したのか、知りたくなりますよね?!



ヒイラギナンテンはどこに分布しているの?

 

中国南部、台湾、ヒマラヤ原産で、東アジア、東南アジアから北米、中米とかなり広い範囲に生息しています。

 

日本に自生種の分布はなく、江戸時代初期の天和・貞享年間(1681-1688)に観賞用庭園木、薬用木として中国から渡来しました。

 

以来、庭木や公園樹として広く栽培されていますが、繁殖力が高いため、ヒイラギナンテンは、環境省、農林水産省の日本の生態系に被害を及ぼすおそれのある外来種リストに載っています。(対策の必要性は最も低い分類で、野生化しないように管理する、捨てないようにすることを普及啓発するなどの総合的な対策が必要な外来種ということです)



ヒイラギナンテンの種類を紹介!

 

「ホソバヒイラギナンテン」:葉が名前のようにヒイラギナンテンより細く、花期は9月頃、実は春に熟します。

 

中国に分布するヒイラギナンテンの近縁種で、成長が非常に遅いのですが、樹高は約2mになります。

↓↓↓↓

 

「ナリヒラヒイラギナンテン」:中国に分布するホソバヒイラギナンテンの近縁種で、ホソバヒイラギナンテンよりさらに葉が細く、花期は秋で、実が熟すのは春先、樹高約2mに成長します。

↓↓↓↓

 

「ヒイラギナンテン・チャリティー」:ヒイラギナンテンとマホニア・ロマリーフォリア種の交配による園芸品種で「マホニア・チャリティー」と呼ばれることもあります。

 

花穂(かすい)の長さは約30cmと長く、鮮やかな黄色が見事な花を12月~1月に咲かせます。

↓↓↓↓

 

交配元のマホニア・ロマリーフォリア種は中国、ミャンマー、台湾に分布するヒイラギナンテンの仲間で、花穂が長いため、いくつかの園芸品種の交配にも使われています。

↓↓↓↓(マホニア・ロマリーフォリアの花穂)

 

どれも、日本で苗木が市販されていて、身近な樹木となっています。

 

このほか、葉が硬く大きめで、花穂は短く、樹形が大振りな「シナヒイラギナンテン」などがあります。



まとめ

 

この記事では、ヒイラギナンテンについて解説していきました!

 

最初は、花言葉、特徴、名前の由来などについて

 

・ヒイラギナンテンの花言葉は、「激しい感情」「激情」「愛情は増すばかり」

・ヒイラギナンテン(柊南天)は、メギ科メギ属の常緑低木

・枝はあまり分枝せず、株立ちになり、樹高は約1m~2m

・丈夫な樹木で、どこでも育つ

・名前の由来は、葉がヒイラギに似ていること、実はナンテンに似ていることから

 

でした!

 

それから、花や葉、実の特徴について解説していきました!

 

・花期は2月~4月頃、黄色い小さな花をふさのような形に多数咲かせる

・雌しべに触ると、その外側にある雄しべが動く

・葉には棘がある

・複葉で、1枚の葉が大きく長い

・上から見ると放射状に葉が出ているような独特の形になる

・実は秋に熟すと青紫色になり、不味いので日本では食べない

 

でしたね!

 

あと、分布や種類については

 

・中国南部、台湾、ヒマラヤ原産で、アジア、アメリカなど、かなり広い範囲に生息している

・日本には、江戸時代に中国から渡来した

・近縁種には「ホソバヒイラギナンテン」など、いくつかの種類がある

・「ヒイラギナンテン・チャリティ」などの園芸品種もある

 

でした!

 

とげとげの葉と、可愛いくて綺麗な花と実のギャップが印象的な樹木でしたね~。

 

手をかければかけるほど愛情が増すのだそうですが、その訳がわかりますよね、たくさんの人の庭で愛でられているのが容易に想像できます!

 

可愛がってもらっているヒイラギナンテンは、きっと邪鬼から守ってくれて、福を呼び込んでくれる・・・かも?しれないので、だいじに育てましょう!w

 

 



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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。 小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。 そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw 樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!

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