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ヤマモミジってどんな木?花や実、葉の特徴は?モミジとの違いも紹介!

ヤマモミジってどんな木?花や実、葉の特徴は?モミジとの違いも紹介!

2018年10月19日

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こんにちは!樹木博士です!

今回は「ヤマモミジ」という樹木について解説していきます!

 

モミジという名前が入ってるだけあって、紅葉が有名ですが、面白い実をつけるってことを知ってましたか?

 

まるで、ブーメランのような実をつけるんですよ〜!



ヤマモミジの特徴は?どんな木なの?

 

ヤマモミジは、クロムジ科カエデ属の落葉高木です。

 

落葉高木というとちょっと難しいですが、冬になると落葉する10mを超える木ということですね。

 

イロハモミジの変種で、その姿形がよく似ています!

 

樹高は5〜10m、直径50cmほどになり、樹皮は暗灰褐色をしています。

 

幼木の際は表面がなめらかですが、成木になると浅く縦に割れるのが特徴です。

 

 

ヤマモミジの花の特徴や開花時期は?

 

 

モミジと聞くと紅葉のイメージですが、開花時期になるとしっかりと花を咲かせるんですよ!

 

 

↓↓そんなヤマモミジの花はこちらです。↓↓

 

 

開花時期は5~6月で、直径4~6㎜ほどの小さな花を咲かせます。

 

 

紅葉ほどインパクトはないものの、とっても可愛らしい花ですよね。

 

 

花びらは5枚で、淡黄色〜淡紅色をしています。

 

 

それよりも目立つのが5つのがく片で濃紅色をしており、この色がとっても上品で美しいんですよ!

 

 

この花が、新芽の下にドーム型に(複散房花序)ぶら下がって咲くのが特徴なんです!

 

 

イロハモミジの変種ということもあって、ほぼ同じ咲き方をしますね。

 

 

また、雌雄同株(しゆうどうしゅ)といって、雄花と雌花が一本の木に咲くタイプの植物なんですよ!

 

 

雄花のほかに雄しべと雌しべの両方を持ち合わせた“両性花(りょうせいか)”も混在するんです。

 

 

どちらの特徴も持ち合わせているのが面白いですね!



ヤマモミジの実の特徴や時期は?

 

花が終わると、今度は果実の番です!!

 

 

ヤマモミジの果実は、翼果(よくか)と言われる果皮の端が伸びてできた膜状の翼があるんですよ♪

 

 

 

2つ組み合わさってついているため、小さな「赤いブーメラン」のように見えますね。

 

 

分果(片側だけ)は長さ約2㎝で、6~9月頃に熟します。

 

 

その翼は、鋭角または鈍角に開いています。

 

 

その翼があるため、風に乗って遠くに飛んでいくことができるんですね!

 

 

くるくると回転しながら飛んでいく様子は、まさに赤いブーメランです!

 

 

こやって、ヤマモミジは虫や鳥に頼らず、風の力で子孫を残すことができる植物なんですね!

 

ヤマモミジの葉の特徴は?紅葉が綺麗?

 

 

ヤマモミジの葉は、一見ランダムについているようにも見えますが、実は対生(たいせい)といって、葉柄に対して互い違いについているんですよ♪

 

 

葉身は直径5〜10cmで、掌状に5〜9裂します。

 

 

葉の縁が、重鋸歯(じゅうきょし)といって、大きなギザギザになっているのが特徴です!

 

 

 

このギザギザは不揃いで、葉の表面に毛は生えていませんが、裏面にわずかに毛が生えていますよ。

 

 

イロハモミジと形態がよく似ていますが、大きさはヤマモミジの方が大きいので、比べてみるとわかりますね。

 

 

ヤマモミジの紅葉はとても美しく、10~12月ころに楽しむことができますよ!

 

 

 

紅葉には日光の力が不可欠ですが、ヤマモミジや強い直射日光が苦手なので、あまり日が当たるところでは、葉が乾燥しすぎてチリチリになってしまいます。

 

 

“適度な”日光と湿度が保たれたところを好みます♪

 

 

それは、人間と似ているところがありますね!



ヤマモミジはどこに分布しているの?

 

 

北海道、青森〜島根県の日本海側の山地の谷間などに生えています。

 

 

上記でも述べたように、やや湿り気のある斜面に生え、日本海側の多雪地に多く見られますよ。

 

 

東北の山地では雪が降りますが、ヤマモミジの幹や枝には弾力性があるために、雪の下でも耐えることができるんですね。

 

 

また積雪地帯では、根元から何本も主幹が上がっている”株立状”となることが多いんですよ!

 

 

その一方で、尾根筋や雪の移動の少ない所では直径70㎝以上の大径木となることが多いんですよ!

 

 

生える地域に順応することができるんですね。



ヤマモミジとオオモミジ、オオモミジの違いは?

 

 

ヤマモミジはイロハモミジの変種であるとお伝えしましたが、オオモミジもその1つなんですよ!

 

 

変種なのでもちろん似ているところがたくさんありますよね!

 

 

その違いを比べてみましょう♪

 

 

◆葉のちがい(大きさ、色、縁)

 

 

ヤマモミジ:長さ5〜10cmのほぼ円形、表面は濃い緑色、葉の縁には不揃いな重鋸歯

オオモミジ:長さ 7~12cmのほぼ円形、表面は緑色、葉の縁には細かな単鋸歯

 

 

オオモミジの方がやや大きいので、比べてみるとわかりやすいですね!

 

 

◆果実

 

 

ヤマモミジ:翼果で、翼は鋭角または鈍角に開く⇒ブーメラン状

オオモミジ:翼果で、翼はほぼ水平に開く⇒竹とんぼ状

 

 

◆分布域

 

 

ヤマモミジ:日本海側

オオモミジ:太平洋側

 

 

分布域はくっきりと分かれているのでわかりやすいですね!!

 

 

一番見分けやすいポイントは果実でしょうか!

 

 

ブーメラン⇒ヤマモミジ、竹とんぼ⇒オオモミジと覚えればよいですね!



まとめ

 

ここまで、ヤマモミジについてお伝えしてきました!

 

 

モミジ=紅葉というイメージが強いですが、花のかわいらしさや翼果の形など、面白いポイントがたくさんありましたね!!

 

 

最後に、今までお伝えしてきたヤマモミジのポイントをまとめて終わりたいと思います!

 

 

もう少々お付き合いください♪

 

 

・クロムジ科カエデ属の落葉高木

 

 

・イロハモミジの変種

 

 

・花の開花時期は5~6月で、1本の木に雄花や両性花をつける

 

 

・翼果(よくか)という翼のあるタイプの果実で、6~9月頃に熟して回転しながら散布

 

 

・葉の縁が大きなギザギザになっていて、10~12月ころに紅葉する

 

 

・北海道、青森〜島根県の日本海側の山地の谷間に分布している

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

 

ヤマモミジについて、より詳しく知ることができましたね!

 

 

これで、紅葉もより一層楽しむことができますね♪

 

 

この記事が、ヤマモミジについて知りたい方のお役に立てますように。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 



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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。 小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。 そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw 樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!

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