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さいかちってどんな木?漢字や実は?カブトムシが好きな木なの?

さいかちってどんな木?漢字や実は?カブトムシが好きな木なの?

2018年10月10日

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こんにちは!樹木博士です!

今回は「さいかち」という樹木について解説していきます!

 

さいかちはトゲがあったり、実が洗剤になったりと、なかなかに面白い樹木ですよ!

 

ぜひ、チェックしてみてください!

 



さいかちの漢字はどうかくの?どんな木?

さいかちは漢字で書くと「皁莢」、「梍」です。

 

見たこともないような、難しい漢字ですねw。

 

なぜ2種類あるの?と思いませんでしたか?

 

「皁莢」の方は、本来、中国原産のシナサイカチを指す漢字だったんです。

 

でも、シナサイカチと、さいかちは、形や利用法などがよく似ているため、「皁莢」が定着してしまいました。

 

つまり、厳密に言うと間違いなんですが、「皁莢」もさいかちを指す漢字となっています。

 

さいかちは、マメ科ジャケツイバラ亜科サイカチ属の樹木で、原産国は日本です。

 

落葉高木(らくようこうぼく・冬になると葉っぱが落ちる、10m以上に育つ木のこと)ですが、

 

どのくらい大きくなるのか知りたいですよね?

 

富山県指定天然記念物の「高熊のさいかち」です。

高さ約16m! このくらい引きで撮らないと全体を写すのが難しいほど。

          ↓↓↓↓ 

 

樹齢は約400年、幹の周りは約4m、巨木に育つんですね~。

 

他にも、群馬県指定天然記念物「中之条のサイカチ」は、

高さ約14m、樹齢約500年、幹の周りは約5.6mという大きさ!

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山梨県指定天然記念物「鳥久保のサイカチ」も、

高さ約15m、樹齢推定200年から299年、幹の周りは約5.4mと圧巻です!

↓↓↓↓

 

他にも府県の天然記念物に指定されたさいかちがありますが、どのさいかちもこんなに大きくなるというわけではありませんw。

 

さいかちの名前の由来は、中国で生薬に使われていたシナサイカチを「西海子」または「皂角子」と漢字で書くことから、という説や、

「細かにして滑らかなる女子の… 」から始まる仏教の語「細滑」(読み方はさいかち)からという説もあります。

 

とにかく、さいかちという名前だったため、戦国時代には武士が「再勝」と言う漢字を当てて、戦に勝ち続けるよう、好んで屋敷に植えたといいます。縁起担ぎですね。

 

そして、実際、染料、食料として、木材は家具や箱、建築に利用できるため、昔から身近に植えられていました。



さいかちの特徴は?

 

さいかちの幹の特徴は、まっすぐに伸び、鋭い棘がたくさんあること。

 

棘は枝にもあります。

 

さらに、棘が何回か分岐を繰り返すという特徴があるため、このように独特な姿かたちになり、枝が変形して棘になったものなので、幹から直接棘が出ているんですね。

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どうですか?見ただけでびっくりの凄まじい棘ですよね? 

 

大きなものでは10cm近くもあり、この強烈さには「近寄りたくない~」と思ってしまいます。(少なくとも私はw)

 

熱帯地方や乾燥した地帯であれば、有刺低木林(ゆうしていぼくりん・トゲのある植物がたくさん生えている林)に、動物が天敵から身を守るために棲んでいたり、サボテンが多いことなどが簡単に思い浮かびます。

 

しかし、日本原産の樹木で、こんなにスゴい棘があるとは驚きですね~。(動物などが近づくのを防ぐためでしょうか?)

 

カワラフジノキという別名も持っていますが、その柔らかそうな?名前からは想像しにくい幹でしたw。

 

古くは万葉集にも「かわらふじに 延ひおほとれる… 」と詠み込まれた歌が載っています。

 

この棘は、皀角刺(そうかくし)という生薬として使われています。

 

高血圧や喘息、潰瘍、腫れ物やリウマチに用いるとのことです。

 

さいかちの実の特徴

 

実のなる季節は秋。

 

細長く、長さは20cm~30cm、曲がりくねっていて平たいのが特徴です。

 

かなり大きい実ですよね~。

↓↓↓↓

https://www.uekipedia.jp/%E8%90%BD%E8%91%89%E5%BA%83%E8%91%89%E6%A8%B9%E2%91%A0/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%81/

 

緑色から、茶褐色になり、

↓↓↓↓

 

冬になると黒ずんで枝にぶら下がっています。

↓↓↓↓

 

豆のさやみたい、と思いませんでしたか?(私は思いました!w)

 

そうなんです。豆果(とうか)といって、マメ科の植物だけがつけるの実の形(さやの中に種がある)をしています。

 

こちらは、同じマメ科で、よく知られている「大豆」の実。

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比べてみると、ちょっとさいかちは個性が強い?w感じがしますが、

 

さやがある実をつける、というマメ科の共通点はありますよね。

 

実が熟して乾くと、このさやが両側に開いて種が出てくる仕組み?です。

 

この種類の実を、鞘付き(さやつき)植物ともいいます。

 

ここで大事なシナサイカチとの違いです。

 

シナサイカチの実は、ひょろひょろ~と曲がりくねらず、まっすぐな実!

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さいかちの、さやの中の種子です。大きさは1cmくらい。

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10月頃、熟します。

 

大きなさやの割には種子が小さいんです。

 

残念ながら食用にはなりません。

 

では、何に使うの?かというと、皀莢(しょうきょう)という生薬として使われます。

 

腫れ物の解毒、利尿、痰を切る作用があるとされています。

 

他には、洗濯石鹸として使えるんです。

 

まだ石鹸がなかった昔は(一般庶民が石鹸を使うようになったのは明治以降です。)さいかちの実を使って洗濯液?を作っていました。

 

他にもムクロジ、エゴノキなど、サポニンという物質を含む果実が使われていました。

 

界面活性効果があるからですね。

 

作り方が気になってきました?

 

きましたよね?

 

それでは、ご紹介です!

 

まず、さいかちの熟して落ちてきた実を使います。(緑色のうちではないですよ~)

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黒ずんだ茶色でなんか、汚いイメージですか?

 

もちろん、実の表面を水で洗ってから使います。

 

実を3本ほど半分くらいに切ったものを、お湯または水に一晩浸します。

 

そのまま、洗濯物を入れて実も一緒に手で揉みます。

すると、まるで普通の洗剤のように泡立ってくるんです。

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さいかち液?

 

洗浄力は、これがそこそこあるんです。

 

昔は「洗濯豆」と呼ばれていたほど。

 

そしてさいかち液?は弱酸性。

 

シャンプーにも使われていました。

 

石鹸が簡単に手に入るようになっても、アルカリで傷んでしまう絹の着物などの洗濯に使われたほか、石鹸では肌が荒れてしまう人にも重宝されていました。

 

現代になって、オーガニックブームの影響もあり、さいかちシャンプー・さいかち石鹸を手作りする人も。

 

自然に優しい石鹸として見直されてきているんです。

 

また、アメリカサイカチの種子から抽出したエキスはトリートメントやマスクパックに使われています。



さいかちの葉の特徴

 

さいかちの葉は、互生(ごせい)といって、枝の節1つに1枚ずつ、決まった角度で交互に生えています。

 

また、偶数羽状複葉(ぐうすううじょうふくよう)という、葉の軸の左右に小さい葉をつけるのが特徴です。

 

って、とってもわかりにくいですね!w、まずは写真を見てみましょう。

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葉は、なんだか柔らかそうですね。

 

葉序(ようじょ・茎に対する葉の並び方)は互生なんですが、よ~く見ないと同じ節上に2枚の葉をつける対生(たいせい)じゃないかと思ってしまいます。(私は、初めそう思いました。)

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う~ん、微妙に交互に生えてますよね。(ホント、わずかにズレてるくらい)

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複葉とは、本来1枚の葉であるものが進化(変化)して数枚の葉に分かれたもの。

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複数の小葉(しょうよう)で構成されているわけですが、全体を1枚の葉と考えます。

 

そして羽状複葉とは、葉柄(ようへい・葉と茎の間の小さな柄のこと)から続く葉軸の左右に小葉が羽状に並んでいるの葉の形のことです。

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↑↑↑↑

さらに、偶数羽状複葉とは、先端に小葉のつかないものをといいます。

 

うん、これはわかりやすいです!。いちばん先に1枚葉っぱが多いと葉の数が奇数になっちゃいますよね。

 

もうちょっと詳しい特徴ですが、1回または2回の偶数羽状複葉で長さ20~30cm。長さ2cmほどの長楕円形の小葉を6~12対持っています。

 

ここで出てきた2回偶数羽状複葉とは、複葉の小葉がさらに複葉になっている葉のことです。

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どーしてこんなに複雑な葉っぱになってしまったんでしょう?

 

「本来1枚の葉であるものが進化(変化)して数枚の葉に分かれた」とのことなので、すっごく進化してる樹木なの?って私は思ってしまいました。

 

でも、マメ科の植物の中では、ジャケツイバラ亜科が最も原始的であると考えられているんです。(さいかちはジャケツイバラ亜科サイカチ属)

 

ではなぜ?… ってなりますよね?

 

実は、複葉をもつ植物には共通点があるんです。

 

それは、陽樹(ようじゅ・生育に最低限必要な光合成量が比較的多いタイプの樹木)であるということ。

 

いち早く芽を出して、ほかの木よりも早く成長しようとするんです。(そうしないと、太陽光をたくさん浴びることが無理になってしまいますもんね。)

 

陽樹は、法面(のりめん・道路建設や宅地造成などに伴う工事などにより作られる人工的な斜面)や裸地(らち・植物や建築物などに覆われておらず、土がむきだしになっている土地)などに多く見られるパイオニア植物(荒れ地に真っ先に現れる植物、先駆植物)で、大きな複葉で太陽光を得ています。

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つまり、「葉っぱがいっぱいあった方が良かったから。」って、さいかちが言ってはいませんが、そうなんじゃないかな?と私は思いました。

 

また、原始的とはいっても、それほど単純構造というわけではなくて、マメ科の中ではソラマメ亜科の方がより進化していると考えられているという意味です。

 

(ごく最近の花粉分析の結果、マメ科の中で最も原始的と考えられているジャケツイバラ亜科植物の花粉が出現した時期よりも後の時期から、より進化していると考えられているソラマメ亜科植物が出現することが明らかになり、「考えられていること」が裏付けられて来ています。)

参考サイト https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-04041019/

 

小葉1枚だけを見てみましょう。

 

表面は緑色で、無毛か葉脈上に短毛が少し残るものもあります。

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裏面は少し薄い緑色で無毛。

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小葉の先端は、鈍く尖っているものもあれば、円くなっているものもあります。

 

若い葉はサンショウに似ていて、食用になります。

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やっと食べられる部分が出てきました!食べ方は、「新芽を塩茹でにする」、または「新芽を茹でて水にさらす」とありますので、あく抜きのようなことが必要なのかな?と思いました。

 

私は、食べたことがありませんが、茹でるということなので、「おひたし」などでいただくようですね、タラの芽みたいに、天ぷらにしてみた~い!気もしますw。



さいかちの花の特徴

 

さいかちの花には、とても珍しい特徴があります。

 

なんと、1本の木に雌花、雄花、両性花の3種類の花をつけるんです。

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初夏に(5月~6月頃)、あまり目立ちませんが、淡い黄緑色の花が大量に咲きます。

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花序(かじょ・枝の上での花の配列状態のこと)は、総状花序(そうじょうかじょ)。

長く伸びた一本の花軸(かじく)に、たくさんの花柄(かへい)のある花を付け、小花が長い円錐形か円柱形に並んでいます。

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花弁は4枚で楕円形、総の長さは10cm~20cmと、とても長くなります。

 

だけど、どれが雌花でどれが雄花、両性花?よくわかりませんよね?

 

こちらが雌花のアップ、う~ん、雌しべしかないように見えます。

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こちらは雄花のアップ、はっきり違った花ですよね?雄しべしかない!(1つの雄花に雄しべは8本、花柄はありません。)

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さて、両性花は?というと、雌しべと雄しべが両方ある!(って、そういう花のことですw)

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花が3種類同じ木に咲くというだけではなく、雌花しかつかない年があったり、雄花しかつかない年があったりします。

 

雌花も雄花も両方つける年もあります。

 

じゃあ、両性花はどのタイミングでつくの?と思いますよね?

 

「ずっと観察を続けていると、樹齢を重ねるうちに、環境が良く、毎年実をつけられるくらいに成長した木には、雌花と両性花しか咲かなくなる」、という経験則をUPされている方がいらっしゃいました。

参考サイト http://sas2005.eco.coocan.jp/01_menu/3_sss/saika.html

 

なんとなく解ってきたような気がしませんか?

 

ある年は雄株として花粉を飛ばす役割を担い、またある年は雌株となって花粉を待ち、見事に実をつけられるようになったら昇格?という感じで「雄株をやるのはやーめた」っと、どっしり構えちゃう。このような性格の樹木ではないかな?と私は思いました。

 

(樹齢100年を超える大木のさいかちでも、雄花、雌花、両性花の3種類をつける木もあります。)



さいかちとカブトムシの関係は?

 

さいかちの幹からは、樹液がよく出ます。

 

この樹液を食べようとするカブトムシなどがよく集まってくることから、カブトムシを「サイカチムシ」と呼ぶ地域もあるほど。

 

こんな感じでカブトムシがさいかちの樹液を餌とするため幹にとまっています。

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クヌギの木やコナラの木にカブトムシが集まってくるのはよく知られていますよね。

 

ボクトウガという蛾の幼虫がクヌギやコナラの幹に穴を開けて樹液を出し、樹液に集まってくる虫を捕食しようとするためです。

 

さすがに、カブトムシは大き過ぎて食べられません、もっと小さめで柔らかい?ハエの幼虫やヨツボシオオキスイなど甲虫の幼虫(ウジ虫・芋虫系)を食べます。

 

では、さいかちの幹に穴を開けている昆虫は?というと、実はまだ十分な研究がされていないんです。

 

マメ科の木に樹液食の昆虫が来るのは、樹皮が比較的薄いため、カブトムシなどが自ら傷を付けて樹液を食べやすいという説はあります。

 

1回傷をつけただけでは、樹液って、すぐ滲出が止まってしまうんです。(木には防衛機構が備わっているため)

 

ボクトウガの幼虫は、がんばって幹を齧り続けて樹液を出しているんですね。(えらい!?)w

 

さいかちの種子の方には寄生する昆虫がいるんです。

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種皮の中で実を食べている様子ですね、何の幼虫でしょう?

 

その名も「サイカチマメゾウムシ」!(日本最大のマメゾウムシ科の甲虫)の幼虫です。

 

最大とはいっても、大きさは幼虫、成虫ともに体長約4mm~5mm。(さいかちの種子より小さくないと中に入れませんものねw)

 

さいかちの種子はとても硬いので、そのままでは自力で発芽することができません。

 

この虫が必要なんです。(どうしてそんなに種皮が硬いんでしょう?簡単に鳥や虫に食べられたくない?)

 

サイカチマメゾウムシは、さいかちのさやに穴を開けて産卵し、孵化した幼虫は、種皮を食い破って中に入り、実を食べ始めます。

 

この時に、まとまった雨が降ると、幼虫は溺れ死んで、種子は吸水して発芽できるというわけです。(さいかちが勝ったパターン?)

 

雨が降らなければ、幼虫は実を食べつくし、蛹になり、成虫として羽化してきます。(サイカチマメゾウムシが勝ったパターン?勝ち負けというわけではありませんが、双方とも、危険な賭けに出ているような… 気がするのは私だけでしょうか?w)

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撮影のため、あらかじめさやから種子を出しておいたそうです。

 

自然の状態では、成虫はこのように種子から出て、さらにさやを食い破ってやっと外に出ます。

 

2013年に、なんとこのサイカチマメゾウムシの幼虫から、すごいことが発見され、米科学誌「ジャーナル・オブ・ナチュラルプロダクツ」のオンライン版で発表されたんです!(発見したのはもちろん日本の大学の研究グループ)

参考サイト https://www.sankei.com/life/news/130320/lif1303200001-n1.html

 

すごいことって、いったい何が発見されたんでしょう?気になりますよね?

 

ドルサミンAと命名された物質です!(え?何それ?余計わかんないんですけど… ってなりました?)

 

強い抗酸化性を持つ「デヒドロアミノ酸」を構成成分に持つ新しい脂質なんです。(まだピンとこないですよね?)

 

それは活性酸素を分解する強力なアンチエイジング物質!(ここまで来たら「おぉ~、すご~い!」って思っていだだけたでしょうか?)

 

老化予防に、特に化粧品などに応用できると期待大なので、私は興味津々です!w



さいかちはどこに生えているの?

 

さいかちは、日本の固有種で、本州の中南部以南、四国、九州の日当たりの良い山野や河原に自生しています。

 

自生地は川、沢沿いなどの水辺が多いです。

 

中国や朝鮮半島にも分布しています。

 

えっ?日本の固有種なのにほかの国にも生えているの?と思いませんでしたか?

 

固有植物には、2種類があり、「その土地にのみ分布し、他のいかなる場所にも見当たらない植物」と、「その土地の他に、限定されたごく一部の地域だけで見られる植物」という2つ。

 

なので、さいかちの場合は、「その土地の他に、限定されたごく一部の地域だけで見られる植物」なんですね。

 

そして、「日本の南の方にしか生えていないの?うちの近くにもさいかちの木があるけど、全然寒い地方だよ?」とおっっしゃる方が、たくさんいらっしゃるのでは?

 

さいかちは、庭などに植えて栽培することもできます。

 

利用価値が高いため、かつては日本各地で植えられてきた樹木なので、現在では自生地ではない地方でもよく見かけるというわけです。

 

実などを利用するため、または棘があるので魔除けとして、民家の近くに植えられたほか、戦国の世において逆茂木(さかもぎ・ 敵の侵入を防ぐために、先端を鋭くとがらせた木の枝を外に向けて並べ、結び合わせた柵)として使うために植えられたと伝えられているものもあります。(棘が鋭くて、もってこいな感じですよねw。)

 

また、公園の中や、街路樹として道路沿いにもよく植えられていますし、古くは社寺の境内に植えられることも多くありました。(さいかちの名から、災に勝つとして、災難除けの信仰があるため。現在でも境内で神木とされるさいかちの実を、魔除けとしてつり下げる人もいます。)

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この写真は、石川県の河原に生えているさいかちです。

↓↓↓↓

 

その昔に武家屋敷などに植えられていたさいかちのうち、現存しているものの種が発芽したものと思われます。

 

う~ん、蔓草がからみついていて、辛そうですね、思わず「がんばれ!」と声をかけたくなりますw。

 

さいかちが種を遠くまで運んで発芽するには、実がさやごと風で飛んで少し離れた場所に落ちる、風散布説や、川に落ち流れに乗って下流に運ばれていく時に種子が水分を含んで種皮が破け、発芽できる状態になった、水散布説などがあります。

 

サイカチマメゾウムシが発芽に関係していることがわかる前には、主に洪水によって発芽すると考えられていました。

参考サイト http://sas2005.eco.coocan.jp/01_menu/3_sss/saika.html



さいかちの花言葉は?

 

さいかちには「見かけによらず」という花言葉があります。

 

見かけは棘がたくさんあって、なかなか近寄り難いのですが、その棘や種は生薬になり、さや付きの実は石鹸として使えたり、人間にとって役に立ってくれます。

 

まさに、花ことばの通り「見かけによらず」人に優しい木なんですね~。

 

まとめ

 

この記事ではさいかちについて解説してきました。

 

特徴については、

・幹や枝に鋭い棘がある

・実は曲がりくねって平たく、さやがある

・花は雄花、雌花、両性花が同じ木に咲く

でしたね!

 

そして利用価値が高いこと

・種子と棘は生薬として使われている

・種子は石鹸の代わりに利用できる

 

虫との関係が密接であること

・サイカチマメゾウムシの寄生により発芽することができる

・樹液が出るのでカブトムシなどが寄ってくる

 

見た目の刺々しさとは違って、人に優しい木だったことが意外でしたね!



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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。 小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。 そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw 樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!

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