ハナズオウの花言葉は?葉や花、実の特徴や時期は?別名についても解説!


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こんにちは!樹木博士です!
今回は「ハナズオウ」という樹木について解説していきます!
まずは、花言葉から見ていきましょうー!
あなたに伝えたいこと
ハナズオウの花言葉は?
ハナズオウの花言葉は「疑惑」「裏切り」「不信」「高貴」「豊かな生涯」「疑惑」「人のおだてに乗りやすい」「裏切りのもたらす死」「エゴイズム」「喜び」「目覚め」とたくさんあります。
でも、良くない意味の言葉が多いと思いませんか?
この由来は?というと、セイヨウハナズオウに関係する、キリスト教のユダの伝説から。
イエス・キリストに仕える十二使徒の一人、ユダが、キリストを裏切った後、それを悔いてセイヨウハナズオウの木の下で自ら命を絶ったという伝説です。
白花だったセイヨウハナズオウは、裏切り者の死に場所にされたことを恥じて赤紫色になってしまったと伝わっており、特に欧米においてセイヨウハナズオウが「ユダの木」と呼ばれている理由にもなっています。
なので、花言葉も良い意味のものではないんです。
日本でも同じ由来から、ハナズオウに「裏切り」「不信仰」「疑惑」「人のおだてに乗りやすい」「裏切りのもたらす死」「エゴイズム」といった花言葉が当てられています。
ハナズオウの花を贈り物にする機会がある場合は、花言葉に気を付けたいですね。
不吉な花言葉の例として挙げられたりするハナズオウですが、キリスト教徒でない場合、あまり気にしなくてもよいのでは?
西洋でも、花言葉は花言葉として、美しい花が好まれ、観賞用に多く植えられています。
そして、元々、日本のハナズオウではなく、セイヨウハナズオウに因む伝説が由来なのですから。
セイヨウハナズオウ
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東洋では、中国でも日本でも、春の喜びを表す花として、縁起のいいイメージを持たれ、古くから親しまれてきました。(逆ですね)
早春から、梅、寒桜、桃、桜、八重桜、花海棠・・・とピンクの花たちが次々に咲きますが、締めくくりはハナズオウです。
暖かい芽吹きの季節、春爛漫といった雰囲気の中で咲くハナズオウは、明るくて健康的な喜びを象徴する花と言えるでしょう。
「喜び」「目覚め」という花言葉は、そんな東洋におけるハナズオウの咲き方に由来する言葉です。
また、花が終わると出てくる葉が、ハート型をしていることも、人の「生」を象徴するようで「豊かな生涯」という花言葉がついた、とする説もあります。
「高貴」は、蘇芳色(すおういろ・黒みを帯びた赤紫色)がハナズオウの花色に似ていて、古来より紫に次ぐ高貴な色とされていたことから、つけられたようです。
春遅く、高貴な色の花をつける木なんですね、どんな特徴があるんでしょう?知りたくなって来ましたよね?!
ハナズオウの別名は?どんな木なの?
ハナズオウの別名は、いくつかあります。
紫荊樹(しけいじゅ)・木部が、生薬の「紫荊(読みはハナズオウ)」として使われていたことから。
蘇芳花(すおうばな)・これは、ハナズオウという名がつけられる前に、花の色が蘇芳染の色である蘇芳色(すおういろ・黒味を帯びた紅色)に似ることからスオウバナと呼ばれていたようです。(それが後に変化してハナズオウになったと言われています)
花紫(はなむらさき)・これもハナズオウの別名ですが、漢字も読みも全く同じの別の植物(ムラサキ科の多年草で、枝の上部に小さな白い花が咲く)があります。
蘇方木(すおうぎ、すおうのき)・こちらもハナズオウの別名で、蘇芳(すおう)という別の植物(インド、マレー諸島の原産で、奈良時代に渡来した染料が取れる植物)の別名でもあります。
ハナズオウの別名が蘇芳(すおう)とされていることがありますが、それは誤解です。
蘇芳(すおう)は、蘇方木(すおうぎ・すおうのき)という同じ別名を持つ、違う植物の名前です。
蘇芳(すおう)
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蘇芳染(すおうぞめ・スオウの木の芯材を煎じて染料とします)
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ハナズオウ
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蘇芳で染めた色と似た色の花をつけるので、名前が紛らわしくなってしまったんですね。
ハナズオウは中国原産のマメ科ジャケツイバラ亜科の樹木で、落葉低木(らくようていぼく・冬になると葉が落ちる、高さ2m未満の木)と定義されることがありますが、高さ約2m~5mに成長します。
樹皮は灰白色で、小さな丸い皮目が多く見られます。
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日本には江戸時代初期に伝わってきました。(中国の自生地では高さ約10mの大木となりますが、日本ではそれほど大きくはなりません。)
江戸時代の花壇地錦抄(かだんちきんしょう・1695年に編纂された伊藤伊兵衛(三之丞)による日本で最初に出版された園芸辞典)に名前が見られます。
とても丈夫な樹木で、痩せた土地や乾燥した土地など、土質を選ばず育ちますし、病害虫にも強い性質を持っています。
この木部や樹皮は生薬「紫荊(読みはハナズオウ)」として使われたこともあり、「宿血を破り(婦人の血流のよどみを解消する作用)、五淋を下す(膀胱、尿路に関する5つの病状を解消する作用がある)」とされ、濃煮汁が服用されていたとのこと。
ハナズオウには、毒があると言われたり言われなかったりしているようですが、はっきりしたことは解っていません(有毒であるという報告はありません)。しかし、このように生薬として用いられていた樹木ですので、念のため食用にするのは避けておきましょう。
枝は、上へ上へと伸び、独特の樹形になりますが、枝数が少ないので思い切った剪定はあまりお勧めではありません。
また、庭木として使いたい時は、他の植木と馴染ませにくいので、芝生の中などに単独で植えた方がよく映えると言われます。
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「あいち健康の森公園」より引用
でも、そこはガーデニング好きの方、腕の見せ所ではないですか?高さや花期を考えて合わせる花や木の苗を選ぶのも楽しいかと思います。(個性的な庭造りには、独特の樹形と強い色の花って、最適かも知れません!)
そうなると、花の時期や特徴をもっと詳しく知りたいですね?!
ハナズオウの花の開花時期や特徴は?
ハナズオウの開花時期は、4月上旬から下旬頃。
花芽は、早春、枝に多数ついています。
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3月下旬頃、ふくらみ始めた花芽。
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花柄はなく、枝や幹から直接、花がついています。
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葉が伸びる前に、花だけが先に咲きます。
花の色も、多少の個体差はありますが、濃いピンクから赤紫に近い色で花つきが良く、枝や幹にびっしりと咲くさまは、美しくもあり独特な感じが面白くもある咲き方です。(まだ若い木は、このように箒形に枝を伸ばします)
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花期には、美しい眺めが人目を引くほどになります。
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花のひとつひとつは、長さ1cmほどの蝶形花(ちょうけいか・マメ科の多くの花に共通した形)で、花びらは5枚です。
雌しべは1本で長さ約12mm、雄しべは10本で長さ約10mm、萼(がく)は5つに裂けています。
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「ホワイトガーデン」より引用
でも、典型的な蝶形花と比べると少し違うみたいですね?
↓↓↓↓ (蝶形花)
ジャケツイバラ亜科は、マメ科の中では最も原始的と言われているんです。
なので花の形も、蝶形花をしていない植物もあります。
でも、ハナズオウの花はとってもキレイですね~。
この後、どんな実をつけるんでしょうか?気になってきましたよね?!
ハナズオウの実の時期や特徴は?
ハナズオウの実は豆果(とうか・乾燥すると二列に開裂するもの。マメ科植物にみられる)で、長さ約5cm~8cmです。
夏に緑色の実がつき、秋には茶色になり、冬にかけて黒褐色に熟して鈴なりに枝にぶら下がるようにつきます。(春先まで枝に残ります)
↓↓↓↓ (夏)
↓↓↓↓ (秋)
↓↓↓↓ (冬)
↓↓↓↓ (早春)
花芽が大きくなりつつあっても、まだ実が枝に残っていますね。
この鞘(さや)の中には2〜8個ほど種子があります。
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これを4月末から5月に蒔くとナハズオウをいくらでも増やすことができるんです!w
とはいっても、そのままでは、発芽率がよくないので、固い豆の殻の一部を削り、それを80度ぐらいのお湯に漬け、そのまま冷ましながら一晩おいて水を吸わせるなどしてから蒔くのがお勧めです。
自然の状態ではどう増えるの?って思いますよね?
自動散布 と言って 実がはじけて種子を散布すると言われています。
春は花、夏は緑の葉と実、秋には実が黒く熟して、冬は葉を落とす季節感のある樹木です。
冬になると、すっかり葉が落ちてしまうんですね、この葉はもしかして・・・紅葉する?
って、思いましたか?
どうなんでしょう、見てみたいですね!
ハナズオウの葉の特徴は?
ハナズオウの葉はハート形をしています。(葉もかわいいんですね)
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大きさは約6cm~10cmで、表面はツヤがあり、やや厚く、緑色です。
葉のつき方は互生(ごせい・ひとつの節に1枚の葉がたがいちがいにつく)。
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どの写真も葉が雨に濡れていますね、花が終わってから伸びてくるので、大きくなった頃には梅雨に入ってしまうのでしょう。
裏面はやや白っぽい緑色です。
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引きで見ると、こんな感じ。
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花つきも良かったんですが、葉もいっぱいつけるんですね。
さて、秋になると・・・
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あれ?葉は緑のままですね、実は茶色くなっているのに。
もうしばらく待ってみましょう。
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実がすっかり熟して黒褐色になりましたが、葉は濃い茶色の部分が出て来て、枯れそうですよ?
そして・・・
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え~っ?!
どうやら、このまま落葉してしまうようです。
↓↓↓↓
でも、がっかりするのはまだ早いですよ!
なぜかというと・・・それは最後の章で解説していきま~す!
ハナズオウってどこに生えているの?
ハナズオウは、中国大陸原産で、日本では北海道南部、本州、四国、九州に分布しています。
ハナズオウ属は、北半球の温帯に数種が分布しています。
地中海付近原産のセイヨウハナズオウ、アメリカハナズオウ などがあり、日本でも栽培されています。
ハナズオウの種類を紹介!
シロバナハナズオウ
シロバナハナズオウは、園芸品種(交配、選抜などにより人為的に作った品種)です。
純白の花が清楚で美しいのが特徴ですが、春に咲くので他にも色鮮やかな花でいっぱいになる時期。
植える時には他の花の華やかさに負けてしまわないよう、周囲に植えてあるものと開花時期、色などをよく考えて植え場所を決めましょう!
若木のうちから花つきは良いのですが、赤紫のものに比べて、やや小ぶりな花となります。
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アメリカハナズオウ・シルバークラウド
アメリカハナズオウは、北アメリカの中部から東部に分布する同属別種です。
ハナズオウより高木に育ち、約5~10mになります。
耐寒性はより強いのですが、耐暑性がやや劣り、花数も少なく、花の大きさもやや小さめです。
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葉は、緑に白色の模様が入りますが、新芽は淡桃色、後に白色、その後中心部から徐々に緑色になっていきます。
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アメリカハナズオウ・フォレストパンシー
紫色の葉を持つ品種で、ハナズオウより花はやや小さめです。
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葉の新芽は赤紫色ですが、その後、光沢が消えて徐々に緑色になります。
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「矢澤ナーセリー」より引用
ハナズオウより大きく育ちます。(高さ約5m~10m)
そして、秋には黄葉します!
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アメリカハナズオウ・ハートオブゴールド
新葉が黄金色になる品種です。
↓↓↓↓
徐々に明るい緑色になります。
↓↓↓↓
他にも数種類の品種があります。
(キレイな色の葉がつく品種がありましたね!)
まとめ
この記事ではハナズオウについて解説していきました!
最初はハナズオウの花言葉について解説していきました!
・セイヨウハナズオウにまつわるユダの伝説に由来するよくない意味の花言葉が多い
・中国や日本では縁起の良いイメージを持たれ、良い意味の花言葉も多い
でしたね!
別名については
・蘇芳という植物から取れる染料で染めた蘇芳色に花の色が似ているため紛らわしい別名(蘇芳花、蘇方木など)がいくつもある
でした!
そして、ハナズオウの特徴についても解説していきました!
・日本では高さ約2m~5mになる
・土質を選ばず育ち、病害虫にも強い
・樹皮は灰白色で、小さな丸い皮目が多く見られる
・枝は、上へ上へと伸びて独特の樹形になる
・花期は4月頃で、葉が出る前に濃いピンク色の花を幹や枝に直接たくさんつける
・実は豆実で秋から冬にかけて黒褐色に熟す
・葉はハート形で落葉する
でしたね!
最後に、生えている場所と品種について解説しました!
・日本では北海道南部、本州、四国、九州に分布している
・花の色が違う品種や、アメリカハナズオウの葉の色が違う品種などがいくつかある
でした!
花も葉も実もどっさりつける樹木でしたね~、特に花がキレイなので、庭木に植えてみたくなりました。(あ、庭がなかった!w)
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
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