シデコブシの樹高は?コブシとの違いや花言葉は?葉や花、実の時期や特徴も解説!
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こんにちは!樹木博士です!
今回は「シデコブシ」という樹木について解説していきます!
シデコブシはとても奇妙な形をした実をつけることで有名です。
その姿は本当にグロテスク….
気持ち悪いのが嫌いな方は閲覧注意です。
でも、花はとても綺麗という、ギャップが凄い樹木になります。
そのギャップにも注目しながらご覧ください!
あなたに伝えたいこと
シデコブシの花言葉は?
「ガーデニングの図鑑」より引用
ちょっと言いづらい ”シデコブシ”
ぎゅっと手のひらを握りしめたような大きなつぼみが膨らみ外側の花びらから一枚ずつ開く姿から
「歓迎・友愛」
という花言葉がつけられました。
満開に花開く姿には大歓迎という花言葉をプレゼントしたいですね。
シデコブシとコブシの違いは?
シデコブシとよく似た樹でコブシという樹があるのをご存知ですか?
どちらもモクレンの仲間ですが、違うところもいくつかあるのでご紹介しますね。
コブシは太い幹を持ち10mを超えるほど高ーく育ちます。
そして、上方の枝にたくさんの花を咲かせます。
シデコブシの樹高は5mぐらいで、まれに根の際からたくさんの幹が出ているものもあります。
シデコブシは大きくなりすぎないということから、庭木としても用いられています。
満開に咲くと花言葉のように、家中大歓迎という状態ですね。
なんだか楽しそうな様子が目に浮かびます。
葉っぱの大きさも樹の大きさに合わせたかのように、コブシの葉は大きくシデコブシの葉はちょっと小さめです。
そして、きれいな花にも大きな違いがあるんです。
コブシの花は6枚の白い花びらからできています。
力強く咲く姿に元気をもらえそうですね。
それに比べて、シデコブシの花は9枚~30枚の花びらからできています。
白からピンクのリボンのような花びらは、見ているだけでも癒されますね。
シデコブシの樹高は?どんな木なの?
シデコブシはモクレン科モクレン属の樹です。
Magnolia tomentosa(学名)、ヒメコブシ(別名)と呼ばれることもあります。
冬になると葉っぱが落ちるので落葉樹ですね。
はだかんぼの樹はちょっぴり寒そうですが・・・。
きれいな花を咲かせるための大切な過程なので仕方ありません。
樹の高さは4m~5mなので小高木と呼ばれています。
ゆっくりと成長するのんびりやさんの木なので、大切に見守っていきたいですね。
そして、シデコブシは日本にしか分布しない植物だから、日本固有種と呼ばれているんですよ。
シデコブシは庭の片隅に庭木として植えたり、盆栽として楽しむこともできるようになってきています。
写真のサイズなら庭がなくても十分楽しめますね。
まるで自分のためだけに咲いているようで・・・うれしい!
シデコブシの葉の特徴は?
葉は長細いのに丸みがあってかわいいんですよ。
葉の長さは5~10cmぐらいで、ちょうど子どもが手を開いたぐらいの大きさでしょうか。
葉の厚さは少し薄いのでふちがひらひらとフリルのようになることもあります。
「植木ペディア」より引用
葉っぱは枝の先端に多く集まり、枝を挟んで互い違いにつくんです。
花が咲いている姿はもちろんきれいですが、葉っぱがきれいな緑色を輝かせる姿もすてきですね。
シデコブシの花の開花時期や季節、特徴は?
シデコブシの花は3月から4月頃に直径6~11cmぐらいのピンクから白のかわいい花が咲きます。
花びらは9~30枚からなっています。
1枚1枚が細長くヒラヒラととってもきれいですよ。
細くてたくさんあるシデコブシの花びらが、締め縄に使われているシデ(四手/紙垂)に似ていることからシデコブシという名前がつけられたそうです。
そして、きれいな花は10日ぐらい咲き続けます。
大きな樹になると次から次へと花が咲きますから長~く楽しめますね。
それでは、花の中を覗いてみましょう。
一つの花のなかには雄しべと雌しべの両方が形成されるので両性花と呼ばれています。
真ん中の緑色の柱が雌しべで周りの細長くて白いものが雄しべです。
雌しべが熟すころ雄しべはまだ開いていないんです。
そして、雄しべが花粉を出すころは雌しべの活動が終わってしまっているので自分で受粉ができません。
なので、リンゴと同じように甲虫などによって花粉が媒介されるんです。
たくさんの自然の力を借りて実をつけることができるんです。
花を観察していると甲虫やハチ、鳥が遊びに来ている姿も見られます。
そういう楽しみ方ができるのはシデコブシの魅力です。
シデコブシの実の時期や特徴は?
花が咲いたあと、8~9月ぐらいになるとこのような果実ができます。
種が入った袋がたくさん集まって一つになっているんです。
まるでブドウがぎゅっと固まっているようにぼこぼことしていますね。
3~7cmの長さでぶら下がり、熟すのをじっと待っているんです。
10月になると周りの緑色の皮がはじけて赤い果実が顔を出します。
赤い果実の中には茶色い種子が入っています。
大きな果実では40個ぐらい種がついていることもあるんですよ。
種がたくさんついていると重たくて枝がきつそう・・・。
赤い種の一つ一つがパラパラと落ちないように、白い糸状のものでぜーんぶ繋がっているんですよ。
すごいですね!
まるでお母さんがお散歩綱でしっかり子どもを守っているようです。
がんばれ!がんばれ!
樹の下に落ちた種子などは鳥が食べることで別の場所に運ばれます。
種子を食べた鳥が糞をするときに茶色い種子が一緒に排出されるんです。
そうすることで、種子が運ばれ分布が広がります。
シデコブシってどこに生えているの?
自生場所はわき水のある山裾や丘腹傾斜・丘陵斜面の水路に多く見られます。
ちょっとじめじめしたところが好きなんですね。
<分布は東海3県に限られています>
・岐阜県(東濃・中濃地域)
・愛知県(尾張・三河・渥美)
・三重県(北勢地域)
今では、園芸用も販売されるようになり、庭木としても楽しめるようになりました。
また、最近は公園に植えられていることもありますので、遊びに行ったら探してみてくださいね。
シデコブシは絶滅の危機!?
これまでシデコブシの特徴などについて解説してきましたが、平成18年までは絶滅危惧種に指定されていたことをご存知ですか?
さきほども言いましたが、「岐阜県」「愛知県」「三重県」にしか分布していなかったんです。
それにも関わらず、ゴルフ場建設などの開発が進むことで自生地がどんどん少なくなってしまいました。
開発することも大切ですが、自生できる環境が少なくなってしまうことはもっと大きな問題です。
そんな状況を見かねた「日本シデコブシを守る会」が、平成8年に自生する地域の状況を本で紹介したんです。
すると、それをきっかけに自生する環境を守ろうという活動も広がり、現在はランクが準絶滅危惧種に下がりました。
ひとまずは安心できますが、絶滅が危惧されている状態は変わりません。
生育する環境によっては絶滅危惧種に戻ってしまう可能性も十分あり得ます。
この記事を読んでくれたあなただけでも、そのことを頭に入れてシデコブシのことを想ってくれたら嬉しいです。
まとめ
シデコブシの花言葉やコブシと違う点やその特徴についてお伝えしてきました。
シデコブシとコブシの違いは
・シデコブシの樹高は5mでコブシの樹高はその2倍もある
・コブシの花びらは6枚なのにシデコブシの花びらは9~30枚ととっても豪華
シデコブシの特徴は
・3~4月に花が咲きはじめる
・花びらは細く枚数が多い
・花が咲き終わるころ葉っぱが樹の先のほうにつく
・甲虫などによって花粉が媒介され実をつける
・自生の分布は東海3県(「岐阜県」「愛知県」「三重県」)に限られている
・現在は準絶滅危惧種になっているが、環境の変化で絶滅危惧種にもなり得る
でしたね。
シデコブシが自生しているところに行ってみたくなりませんか?
自然の姿のシデコブシを見るためにもぜひ出かけてみましょう。
庭木にすることもできますが、春から秋にかけて花・葉・実と違う姿を楽しめる自生のシデコブシの素晴らしさを見てほしいです。
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!
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