モミジバフウってどんな木?実の時期や花、葉の特徴は?種類と分布も解説!
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こんにちは!樹木博士です!
今回は「モミジバフウ」という樹木について解説していきます!
モミジバフウからは良い香りがするのですが、動物はその匂いを嫌います。
なので、動物避け的な役割で植えられることもある樹木なんですよ。
この記事でもっとモミジバフウについて理解を深めていきましょうー!
あなたに伝えたいこと
モミジバフウの特徴は?どんな木なの?
モミジバフウ(紅葉葉楓、学名:Liquidambar styraciflua)は、フウ科フウ属の落葉高木です。
落葉高木とは、冬になると葉を落とす10m以上の木のことで、モミジバフウの樹高は15~25mにもなるんですよ!
別名を“アメリカフウ”とも言い、公園や街路に使われることが多いので、知らないところで目にしているかもしれませんね。
多湿で肥沃地(ひよくち:土が肥えていて、農作物がよくできる土地のこと)を好みます。
アメリカでも、水害が多いとされる水に富んだ地域にこの木は多いんですよ。
樹皮や枝に注目してみると・・・
http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/hamamelidaceae/momijibafuu/momijibafuu2.htm
褐色を帯びているのがわかりますね!
見ての通り、若枝にはコルク質の綾(翼)ができるんです!
枝の上側にできることが多いのですが、横や下にもでき、横に筋があることが観察できますね!
モミジバフウの実(種)の時期や特徴は?
モミジバフウの花が開花し、秋になると今度は果実のシーズンが到来します!!
果実はトゲトゲした集合果で、はじめは緑色をしていますが、冬が近づくにつれて茶色くなっていきます。
果実は熟して種を飛ばすと、殻の部分が地上に落下します。
よく木の下にたくさん落ちているのは、種がなくなった殻の部分なんですね!
モミジバフウの黒い種には翼がついていて、風に乗って遠くまで飛んで行けるようになっているんですね♪
種がなくなった殻にも使い道があり、クリスマスリーフの材料として使われたり・・・
熱帯魚愛好家が、小エビの隠れ家として購入したりすることもあるんですよ!
実際に検索すると、たくさん販売されていました!!
このような使い方があるなんて驚きです!
でも殻からエビがひょっこりと顔を出す様子は、ちょっとかわいいです(笑)
モミジバフウの花の特徴や開花時期は?
モミジバフウの花期は4月頃で、葉が開くと同時に花も咲きます。
雌雄同株(しゆうどうしゅ)といって、1つの木に雌花と雄花が咲くタイプの植物なんですよ。
雄花と雌花が別々に頭状花序(とうじょうかじょ)と言われるタイプの花のつけ方をします。
ちなみに頭状花序とは、花軸の先端が太く広がったところに、柄のない小さな花を多数つける花の咲き方を言います。
いくつもの花が集まっているのですが、まるで全体が1つの花であるかのように見えるので不思議です!
雄花は上向きのブドウの房のように咲くのに対して、雌花はぶら~と鈴のように1つだけ垂れ下がっています。
この雌花は、秋になると蒴果(さくか)と呼ばれる熟すと裂開して種を飛ばすタイプの実が集まった集合果となるんですよ!
モミジバフウの葉の特徴は?
モミジバフウは、季節ごとに葉の色を楽しむことができる木なんです!
樹形が美しいだけでなく、剪定を必要としないので、、公園や街路樹、庭のシンボルツリーとして用いられています!
そんなモミジバフウの葉を見てみると・・・
葉は掌状に5~7裂しており、光沢があります。
長枝に対して互生(ごせい)・短枝に束生(そくせい)します。
ちなみに互生とは、葉軸に対して互い違いに小葉が付くタイプを指し、束生は見かけ上束になって葉が付いていることを言います!
葉だけを見ると、「かえでの仲間かな?」と思いますが、互生というところで違いが見出せますね(かえでは対生)。
紅葉もとてもきれいで、紅葉が進むにつれて、緑→オレンジ→赤→紫などと葉色がどんどん変化していくので、毎日違った表情を見せてくれるので面白いですよ♪
では、その紅葉の様子をご覧ください♪
とても綺麗な紅葉ですよねー!
ただ、これだけ綺麗なので、人によっては臭いと感じる匂いを放つんです…
モミジバフウの香りは臭い!?
モミジバフウの葉っぱや幹、花をちぎって臭いをかぐと、独特の香りがするんです。
その独特な臭いを嫌って、動物が葉を食べないために、動物円の景観樹としてもよく植えられているくらいです。
でも、嗅ぐ人によっては、青りんごのような香りでクセになるといいますが、好き嫌いの分かれる香りと言えばよいのでしょうか?
嫌いな人は鼻をつく異臭とも取れる臭いです。
ですが、このモミジバフウの香りを活かし、<アメリカンスタイラックス>という精油に加工され、香料として使われているんですよ!
アメリカンスタイラックスとして加工されると、まるでハチミツを思わせるような独特の甘い香り・・・バニラとも少し似た焦げたお菓子のような良い香りに変わります♪
是非見つけたら試してみてはいかがでしょうか?
モミジバフウはどこに分布しているの?
丈夫な性質を持っているため、日本全国に植栽されています。
北アメリカ中南部・中央アメリカ原産で、日本へは大正~昭和初期にアメリカ庭園協会から寄贈されたことがきっかけで渡来しました!
大気汚染に強く、環境の悪い場所でも育てられるほどの丈夫さを持ち合わせています!
モミジバフウとタイワンフウの違いは?見分け方を紹介!
中国及び台湾を原産とするフウ(楓)は、アメリカフウ(モミジバフウ)と区別するために『タイワンフウ』ととよばれます!
名前で区別することは簡単ですが、見分けることはちょっと難しそうです。
でも、きちんと違いをおさえれば、簡単に見分けることができますよ!
その違いが顕著なのは、ズバリ“葉”です!!
モミジバフウの葉が5~7裂することは先ほどお伝えしましたが、それに対してタイワンフウは3つに裂けるのが特徴です!
それもあって、別名『サンカクバフウ』ともされていますよ。
また、モミジバフウの実には堅いトゲトゲがありましたが、タイワンフウの実はプラタナスのように柔らかな感触ですよ!
まとめ
今回は、モミジバフウについて解説してきました!!
モミジバフウの理解は深まりましたか??
それでは、最後に復習をして終わりたいと思います!
・フウ科フウ属の落葉高木で樹高は15~25mにもなる
・若枝にはコルク質の翼ができて、年輪のようなものもできる
・果実はトゲトゲした集合果で、種が散布されると落ちる
・花の開花時期は4月頃で、THE花というよりもブドウのように見える
・葉は互い違いにつき、掌状に5~7裂している
・香りは人によっては異臭だが、加工すれば精油として用いられる
・北アメリカ中南部・中央アメリカ原産で、現在は日本各地に植樹されている
いかがでしょうか?
繁殖活動を経た後も、エビの住処として活用される、とってもエコな木でしたね♪
もしモミジバフウを見つけたら、香りも是非チェックしてみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!
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