サトウカエデってどんな木?花や実、葉の特徴は?樹液が凄い!?
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こんにちは!樹木博士です!
今回は「サトウカエデ」について解説していきます!
サトウカエデの樹液は、あなたも食べたことがあるであろう〇〇の元なのですが、それが何か分かりますか?
ほぼ100%、あなたも人生で一度は口にしたことがあるものです!
あなたに伝えたいこと
サトウカエデの樹液はあなたの身近にある〇〇!?
サトウカエデの樹液が、何に変身するかご存じですか?
口にしたことがある方も多いかと思います。
それは・・・メープルシロップです!!!
でしょうね(笑)と思った方がほとんどかと思いますが、メープルシロップはカエデ類から採取することができるんですよ。
メープルシロップといえばカナダのイメージですが、日本でも埼玉県秩父市、山形県金山町などで生産していますよ。
メープルシロップを作るには、木に穴をあけて“メープルウォーター”といわれる樹液を採取します。
サトウカエデの樹液の98%は水分で、2%がスクロース(砂糖の主成分)とほとんどが水分なんです!!
そのため、樹液をキャラメルのような色合いになるまで煮詰めてろ過し、不純物を取り除く必要があります。
そうやって、清潔な瓶につめられて店頭に並ぶんですね!
このメープルシロップの元のメープルウォーターですが、いつでもとれるわけではないんですよ!
メープルウォーターの流出は、1年のうち約12日程度の間、気温の変化によって起こる現象なので、とっても貴重なものなんです!
更に、地球温暖化が進むとカエデの分布が現在よりも北に移動することが予想されるので、メープルシロップの産地では更に貴重なものになりそうです。
サトウカエデの樹液には美肌効果もある!?
サトウカエデの樹液からメープルシロップが作られることはもうご存じですよね。
そのサトウカエデの樹液に含まれる、“サトウカエデエキス(砂糖楓エキス)”がすごいんです!!!
サトウカエデエキスには、保湿効果や角質を柔らかくする効果があるんです♪
その効果から、よく他の植物由来のエキスと併せて無添加化粧品にも配合されているんですよ!
でも、なかなかエキスが配合された化粧品を見つけるのは難しいですよね・・・。
そんな時は!メープルシロップを直接肌に塗ってみましょう♪
カサカサが気になる場所や角質がたまってゴワゴワする部分になじませてマッサージしてみましょう!
マッサージしたらあとは洗い流すだけOKです!
ただし、メープルシロップが配合されたものではなく、本物のメープルシロップをしようしましょうね!
また、肌に合わない場合があるので、腕の内側などでパッチテストをしてから使用するようにしましょう!
サトウカエデってどんな木なの?特徴は?
サトウカエデ(砂糖楓、学名:Acer saccharum)は、ムクロジ科カエデ属の落葉高木です。
落葉高木ということは、冬になると葉を落とす10m以上の木ということなのですが、その樹高は高30~40mにも達し、直径も50~100cmになるんですよ!
寿命はなんと驚きの300~400年です!!!
人間の寿命が80年だとすると、人の約5倍も長生きするんですね!!(驚)
このサトウカエデ、原産国が北アメリカで、樹高も葉も日本の在来種のカエデと比べるとかなり大ぶりですね!!
サトウカエデは、カナダを代表する木で、国旗に描かれた赤い葉はサトウカエデの葉なんですよ!
また、メイプルリーフ金貨などの硬貨のデザインにもなんているんですよ。
ちなみに、アメリカ合衆国北東部のウィスコンシン州、ニューヨーク州、バーモント州、ウェストバージニア州では、州の木とされていますよ。
サトウカエデの木はとても丈夫なので、家具や床材として用いられることが多いです。
日本産のイタヤカエデについてはカエデ材と呼ばれますが、北米から輸入されたサトウカエデについては“メープル材”と呼ばれるんですよ!
家具を購入する際に、メープル材と記載されていたら、それは耐摩耗性に優れた丈夫な家具ということですね。
是非家具を購入する予定があったら、チェックしてみてください♪
サトウカエデの花の特徴や開花時期は?
サトウカエデの花は、可愛らしい黄緑色の小花です♪
4月~5月に、葉が開くと同時に開花し、枝先に多数の花をつけます。
雌雄同株(しゆうどうしゅ)といって、1つの木に雌花と雄花が咲くタイプの植物なので、1株に特徴の異なる花が存在します。
また、雌雄異花(しゆういか)という特徴も持ち合わせており、1本の木に雌しべだけの“雌花”と雄しべのみの“雄花”を咲かせるんですよ!
がく片と花弁は5片あり、雄花・雌花のどちらも円錐状に咲きます。
遠目で見ると、葉との違いが分かりづらいひかえめな花ですね。
サトウカエデの実の特徴や時期は?
サトウカエデの果実は、7~9月になると熟して乾燥し、風とともに回転しながら飛び散るんですよ。
まず、花のあとに分果といわれる複数の子房からできた果実が実ります。
果実は、最初は緑色なのですが、熟すと褐色に変わります。
そして、その果実には果皮の端が伸びてできた膜状の翼があり、風に乗って飛散するんですよ!
そのような果実のことを“翼果(よくか)”と呼びます。
翼果は2つ連結しており、竹トンボのような形をしているなんとも面白味のある果実です。
サトウカエデは、鳥や虫の力を借りて種を運んでもらうのではなく、風の力を使って種を遠くに飛ばしているんですね♪
サトウカエデの葉の特徴は?紅葉が綺麗!?
カナダの国旗にも描かれているサトウカエデの葉は、長さ7㎝~15㎝にもなる大ぶりな葉です!
葉は見ての通り3~5つの浅い切込みが特徴的ですよね。
葉先が尖っており、葉の裂けている部分のふちにはよくみると細かいギザギザとした鋸歯状突起がみられます。
10月~11月頃になり気温が下がると、黄褐色から赤色に紅葉するんですよ!
大型の葉が鮮やかに紅葉する様子は、迫力があってとっても美しいですよ♪
サトウカエデはどこに分布しているの?
サトウカエデは、北アメリカ原産ということもあり、寒い地域にしか自生できない植物なんです。
カナダのケベック地方からアメリカのテキサス州、ルイジアナ州にいたる北アメリカ東部に広く分布しており、五大湖地方に多いです。
日本では明治以降に導入され、北海道を中心に植栽されていますよ♪
その他にも、埼玉県秩父市や長野県軽井沢町などでも見ることができます。
他のカエデ類は日本でもよく見かけますが、サトウカエデは植物園でもなかなか見かけませんよね。
サトウカエデはその紅葉の美しさから、街路樹や公園樹として植えられていますよ。
日本だと樹液採取は積極的に行われていないので、少しずつ普及すると良いですね♪
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は“サトウカエデ”についてお伝えしてきました!
ちなみにサトウカエデのサトウは、日本の名字ランキング1位の“佐藤”ではなく、“砂糖”の方のサトウなので、お見知りおきを!(笑)
ちょっとサトウを連呼しすぎましたね・・・(笑)
では少しサトウから離れて、今までお伝えしてきたポイントを簡単にまとめたいと思います♪
・サトウカエデの樹液を煮詰めると、メープルシロップになる
・樹液に含まれるサトウカエデエキスには、保湿効果や角質を柔らかくする効果がある
・サトウカエデ(砂糖楓、学名:Acer saccharum)は、ムクロジ科カエデ属の落葉高木
・樹高30~40m、直径50~100cm、寿命300~400年!!!
・原産国は北アメリカ、カナダの国旗やメイプルリーフ金貨などの硬貨のデザインにもなっている
・花は、4月~5月に葉が開くと同時に開花し、1つの木に雌花と雄花が咲く
・果実は、7~9月にできて、翼があることで風にのって回転しながら遠くへ飛んでいき子孫を残す
・浅い切込みが特徴の大型の葉で、10月~11月頃に紅葉する
・カナダのケベック地方からアメリカのテキサス州、ルイジアナ州にいたる北アメリカ東部など寒い地域に自生
・日本だと北海道や埼玉県秩父市、長野県軽井沢町
もちろん日本でもサトウカエデを見ることができますが、北米を訪れた際はサトウカエデが形成する森林を見てみたいものです!
メープルシロップも是非食べてみたいですね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
サトウカエデについて知りたい方のお役に立てると嬉しいです♪
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!
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