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樒(シキミ)には毒がある!?榊との違いは?葬儀や花言葉について解説!

樒(シキミ)には毒がある!?榊との違いは?葬儀や花言葉について解説!

2018年10月11日

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こんにちは!樹木博士です!

今回は「シキミ」という樹木について解説していきます!

 

日本では、シキミは葬儀によく使われるのですが知ってました?

 

おそらく、見たことはあると思うのでチェックしてみてください!

 

あと、日常でシキミを見つけたときは注意しましょうね…毒があるので。



樒(シキミ)には毒があるから気をつけて!

 

シキミという植物について皆さんご存知でしょうか!?

 

 

一見穏やかそうな見た目ですよね。どこにでもあるような木に見えます。

 

ただしこちらの植物、なんと猛毒を持っているんですよ!

 

植物全体に強い毒がありますが、特に実には「アニサチン」と呼ばれる猛毒があり、少し口に含むだけで死に至る可能性があります。

 

触れるだけでは特に問題はありません。

 

気になるところは口に含まれる可能性があるかどうかですね。

 

もちろん、シキミの実が料理に使われていたりすることはありません。

 

ですが、なんと昔シキミの実を椎の実と間違えパンケーキの材料に使われた事件があったんです!

 

そのパンケーキは神戸の自然教室で出され、参加した15人中13人に吐き気やけいれん、意識混濁といった症状が現れました。

 

なんとも恐ろしいですね……。

 

ちなみにこちらがシキミの実。

 

 

そしてこれが椎の実です。

 

どちらもどんぐりに似ていますね。

 

今のように画像を比較したり植物に慣れている方は間違うことはないかもしれませんが、あまり知識がない方は混同してしまうかもしれません!

 

取り扱いには十分お気を付けください!

 

樒(シキミ)の毒が葬儀に使われるようになった理由なの!?

 

シキミが持つ香りは独特で、仏事においてはお線香や抹香と同じように使われていることがあります。

 

不思議ですよね。危険であるはずのシキミがなぜよく使われているんでしょう?

 

理由は昔ながらの風習にあったんです!

 

まだ土葬が一般的に行われていた時代に、魔除け死臭を打ち消す効果の目的で使われていました。

 

また埋葬近くに植えておくことで、その匂いと毒によって動物が近寄るのを防いでいるんですね。

 

そんな昔からの風習が現代にも受け継がれているんですね。

 

特に関西の地域で、葬儀会場に飾ることがあるそうです。魔除けやお清めなどに使われるそう。



樒(シキミ)と榊(さかき)の違いは?

 

突然ですがサカキ(榊)という植物をご存知でしょうか?

 

↓がサカキの葉っぱです。

 

そして↓がシキミの葉です。

 

非常に似ていますよね!

 

サカキはモッコク科サカキ属常緑小高木。神社とかでよく見かける方も多いのではないでしょうか。

 

 

ただしこちらはシキミとは何の関係もない植物なんです!

 

シキミはマツブサ科シキミ属の植物なので全く違うんですね。

 

ここから、その違いについて少し解説させていただきます。

 

使われ方が全く違う!

 

サカキ(榊)は名前の中に「神」という文字があるように、神事(しんじ、かみごと)に使われることの多い木なんです。

 

対し、シキミは仏事(ぶつじ)に使われます。

 

一見、何が違うの?と思ってしまいますよね。

 

その差は宗教の関係にあります。

 

神事は「神様に関するまつりごと」という意味の言葉で使われます。

 

仏事は「仏教での祭事。法事」という意味です。

 

つまり、神事は広い意味で使われる言葉で、仏事は仏教における行事なんですね。

 

それを考えるとサカキとシキミの使いどころはこう違います。

 

・サカキは神社などの神棚に飾られることが多い

 

・シキミはお葬式といったの法事で使われることがある

 

ですね!



葉の形や色、硬さなどが違う!

 

シキミとサカキの葉は一見似ていますが、よく観察することで違いが見えてきます。

 

実際に触ってみるとサカキの葉は硬く、シキミの葉は柔らかいです。

 

また色はサカキのほうが若干濃いんですね。

 

また装飾として葉を束ねられた際に、すべてきれいに上を向いているのがサカキ、いろんな方向を向いているのがシキミです。

 

花の色や開花時期などが違う!

 

いままで葉っぱなどで違いを見てきましたが、やはり少しわかりづらい部分もありますよね。

 

ただ、ここからお伝えするシキミとサカキの花は、葉と異なり明確に違います。

 

シキミの花はやや黄色味を帯びた白い花を咲かせます。

 

開花期は三月から四月。ほのかに良い香りがします。

 

↓がシキミです。

 

サカキの花は白い色をしていて花弁(はなびら)は楕円形で五枚ついています。

 

開花期は六月ごろ。

 

↓がサカキです。

 

こうやって比べるとよくわかりますよね。また開花期の違いも分かりやすいと思います。



樒(シキミ)の花言葉を紹介!

 

シキミの花言葉は

 

・「猛毒」

・「甘い誘惑」

・「援助」

 

です!

 

「猛毒」「甘い誘惑」なんかはシキミの毒がそのまま表れていて分かりやすいですよね。

 

やはり花言葉にもなっている通りにシキミは毒というイメージを抱えている方が多そうです。

 

ここまで読んでいただいた方もそんな感想を持っているのではないですか?

 

シキミについてもっといろんな情報を知りたいと思う方も多いはずです!

 

ここからはそんなシキミがどんな見た目であるのか、またどこに生息しやすいのかを解説していこうと思います。

 

樒(シキミ)ってどんな木なの?

 

シキミ(樒)とはマツブサ科シキミ属常緑高木

 

「しきび」とも読み「櫁」とも書きます

 

高さは10mほどで胸高直径(きょうこうちょっけい)は30cmほどですね。

 

※胸高直径とは、成人男性の胸の位置ほどの高さにおける木の直径のことです。

 

成長は比較的遅く、また寒さにも弱いとされているんですよ。

 

さてここからはシキミの部分ごとに分けて詳しく見ていきたいと思います。

 

樒(シキミ)の葉の特徴とは?

 

葉は丸みを帯びていて長く、比較的厚く表面には光沢があります。

 

長さは5cmから10cmほど。また横から見るとしなっているような形になっているんですね。

 

枝についても見ていきましょう。

 

一年を通し深緑色を枝の先につけ、独特のにおいを出します。

 

幹や枝の表皮は暗い茶色。

 

歳をとるたびにだんだんとひび割れが目立ってくるんですよ。



樒(シキミ)の花の開花時期や特徴は?

 

花は葉の付け根から咲き、三月から四月ごろに咲きます。

 

 

薄く黄色がかった白い花で、細長い花弁を無数に咲かせるんです。

 

また、とてもいい香りを醸します。

 

お花だけ見ると小さくてかわいらしいですね!

 

でも毒があるっていう先入観のせいか、怖いと思う方もいらっしゃるようです!

 

そうみると、確かに佇まいが恐ろしく見えなくもないですね……。



樒(シキミ)の実の時期や特徴は?

 

シキミの実についてですが前述のとおりがあります。

 

↓がシキミの実です

 

八つの袋の先端がとがっているのが特徴的ですよね。

 

九月ごろに実がなり、植物の中で唯一「毒物及び劇物取締法」という法律の中で劇物と認定されています。

 

大変恐ろしい植物なんですよ。

 

毒について解説した段落ではシキミと椎の実が間違われた事件をご紹介しましたが、このシキミと似ている植物にトウシキミ(八角)というものがあります。

 

↓がトウシキミです。

 

非常に似ていますよね!こちらは中華料理に使われているようです。

 

こんなに似ていて間違えられたことってなかったんでしょうか?

 

いいえ。じつは昔、シキミがトウシキミと間違えられドイツに輸出されてしまったという事件があったんです。

 

食品香料として持ち出されてしまったシキミのせいでドイツでは多くの中毒事件がありました。

 

劇物として指定されたのはこの事件があったからかもしれませんね。

 

何度も言いますが、皆さんも取り扱いには十分気を付けてください!

 

樒(シキミ)はどこに生えていて、どこで買えるの?

 

シキミは日本のほかに中国、台湾、大韓民国にも生息しています。

 

日本では東北を除いた本州、四国、中国地方、九州と比較的暖かいところでみかけます。

 

シキミは寒さに弱いですからね。

 

またシキミはじめじめしたところが好み。逆に乾燥したところは苦手です。

 

日光に当たっていてももちろん育ちますが、直射日光には弱く日陰でもよく育ってくれます。

 

シキミを生育される際は特に湿度と日当たり具合を考えるとよいでしょう!



まとめ

 

さていかがでしたでしょうか?

 

今回学んだシキミについてをまとめるとこんな感じです!

 

・シキミには全体に猛毒がある

・特に実には「アニサチン」という猛毒がある

・仏事での装飾や抹香などに使われる

・花言葉は「猛毒」「甘い誘惑」「援助」

・花は白色で三月から四月ごろに咲く

・シキミの実はトウシキミ(八角)とよく似ている

・昔、椎の実やトウシキミと間違われ大変な事件があった

・シキミは寒さと乾燥に弱い

 

さて皆さんここまでシキミについて解説してきましたが、どんな感想がおありですか?

 

シキミは毒を持っているので多くの方が怖いという所感をお持ちでしょう。

 

でもせっかく綺麗なのにそれだけで忌避してしまうのももったいない気がしませんか?

 

たしかに大変危険なんですが、シキミのお花はとってもいい匂いがします。

 

成長もゆっくりなので育てやすいと思います。

 

赤ちゃんがいる家庭とかだと万が一があるので難しいかもしれないですが、庭木なんかにしておくと動物が寄ってこなかったりする効果があるので便利ですよ。

 

見たり触ったりするだけでは害はないので、もしどこかで見かけたときは安心してお花を楽しんでみてください。

 

ここまで見ていただいてありがとうございました。



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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。 小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。 そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw 樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!

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