トウカエデってどんな木?花や実、葉の特徴は?街路樹で紅葉が綺麗!?
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こんにちは!樹木博士です!
今回は「トウカエデ」という樹木について解説していきます!
あまり目立たたないですが、小さくてかわいい花をつける樹木です。
街路樹としても人気なので、もしかしたらあなたも見たことあるかも知れませんね!
あなたに伝えたいこと
トウカエデの特徴は?どんな木なの?
トウカエデ(唐楓)は、ムクロジ科の落葉高木です。
落葉高木というと少し難しいですが・・・冬になると葉を落とす10m以上の木ということですね!!
高木ということもあって、20mを超える大木に成長しますよ。
成長が早く、とっても丈夫な木なんですよ!
中国原産のため、唐=中国・・・つまり中国の楓ということですね。
別名「サンカクカエデ」とも言い、浅く三つに裂けた葉を持つことからその名がつきました。
江戸時代(享保9年)に中国から徳川幕府に寄贈されたのが、日本に生育したきっかけなんですよ♪
トウカエデの幹は凹凸が激しく、樹皮には独特なしわがあるのでわかりやすいですよ!
↓↓ことばで伝えるより、見た方がわかりやすいですね。↓↓
おわかりいただけましたか?
灰褐色の樹皮や若い木の場合はなめらかですが、老木になるにつれて鱗片状にはがれていきます。
なめらか=若木、鱗状に剥がれている=老木と覚えると良いですね!
トウカエデは街路樹として人気?どこに分布しているの?
トウカエデは立性といって、茎や枝が直立して成長するということや大気汚染に強いということもあって、街路樹としてもよく植えられています。
(横にどんどん広がるタイプだと、道路へはみ出して危ないですからね!!)
また、耐寒性も高いために、庭木や公園樹としてもよく用いられています。
東京では、トウカエデが街路樹として40,500本も植えられているんですよ!
この数はイチョウ・ハナミズキ・サクラに次いで第4位となっています。
トウカエデは、現在北海道から九州まで幅広く分布しています。
生育場所は山中ではなく平地と、他の日本に自生する他のカエデ類と異なり、カエデ類とは異なります。
人間が積極的に植樹したため、平地に多いんですね。
トウカエデの花の特徴や開花時期は?
トウカエデの花は、若葉がしっかりと開いた4~5月ころに開花します。
雌雄同株(しゆうどうしゅ)といって、雄花と雌花が1本の木に咲くタイプの植物なんですよ!
しかも、雄花と雌花のどちらの要素も持ち合わせた両性花も存在するんです。
両性花の雄しべはがくより短く、大きな花柱(雌しべの本体)があるのが特徴です。
その年にできた枝の先に、円錐花序(えんすいかじょ)という花軸に対して、軸のある花を総状(ふさのように)つけたものが複数集まって円錐を形成するんですよ!
1つ1つの花は小さいのですが、総状に咲くことでとてもボリューミーで、遠目で見ると1本の木がまるで花束であるかのようです!!!
小さな花をよ~く見てみると・・・
淡い黄色をしていて、がく片と花弁は5枚、雄しべは8つあるのがわかりますね。
小さな花もたくさんあつまることで、こんなに存在感を発揮するんですね!
トウカエデの実の特徴や時期は?
花が終わると今度は、果実の時期が到来します!!
果実は翼果(よくか)といわれる、果皮の端が伸びてできた膜状の翼があり、風に乗って飛散するんです。
大きさは1.5~2㎝と小さいのですが、20個ほどがまとまって付くために、存在感はあります。
翼果はほぼU字型についており(言うなれば鈴虫の羽のように!)、つきはじめの6月頃は緑色ですが、秋になり熟すと茶色くなって落下します。
翼のおかげで、風に乗って遠くまで飛んでいくことができるんですね!!
この翼果は、木になっている際は枝に対して下向きにぶら下がるようにしてつきます。
こうもりが逆さにぶら下がって、羽休めをしているイメージです!!
トウカエデの葉の特徴は?紅葉が綺麗なの?
トウカエデはカエデの仲間なので、その紅葉はとても美しいです!
秋になると、鮮やかな紅色や黄色を楽しむことができますよ♪
寒暖の差が激しい地域では、黄色から朱色、紅色と少しずつ変化していくので、色の移り変わりをリアルに感じることができますね。
葉を観察してみると、対生と言って、葉柄に対して葉が互い違いに生えているのがわかりますね。
また、葉は表側に軽く巻く傾向があって、実際よりもやや華奢に見えます。
見る人が見れば、「これもカエデの仲間なの?」と思うかもしれません。
でも、軽くカールしているところを広げてみると、イタヤカエデと近いものを感じますよ!
葉の表面は光沢があり、裏面はパウダーをはたいたかのような白色です。
葉は長さ4~8㎝程の倒卵型で、上部が浅く3裂しています。
カナダの国旗に描かれているイタヤカエデほど深い裂ではなく、アヒルの足のような形をしていますね!
葉は年齢によっても違いがあて、幼木では低い鋸歯がありますが、成木になると全縁(ギザギザがない)になります!
よく葉に赤ちゃんのような産毛が生えているものもありますが、トウカエデは裏表ともに無毛です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は“トウカエデ”についてお伝えしてきました!
アヒルの足のような愛嬌のある形が印象的ですよね!
また、木自体が花束のようで、美しいですよね♪
最後に、そんなトウカエデについてまとめて終わりたいと思いますので、しばしお付き合いください!!
・トウカエデは、ムクロジ科の落葉高木
・中国(=唐)の楓ということで、トウカエデ
・なめらか=若木、鱗状に剥がれている=老木
・北海道から九州まで幅広く分布、街路樹や公園樹としても人気
(植樹ランキング全国第5位☆)
・若葉がしっかりと開いた4~5月ころに開花
・翼果(よくか)というタイプで、つき始めは緑で熟すと茶色へ
・葉の表面には光沢があり、浅く3裂する
・寒暖差の激しい地域ほど紅葉が美しい!!
以上がトウカエデのまとめです。
今は植樹ランキング5位ですが、この美しいトウカエデがたくさん増えて、さらに上位まで上り詰めると嬉しいですね!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!
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