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イタヤカエデの花や樹皮、実の特徴は?葉が紅葉すると綺麗!

イタヤカエデの花や樹皮、実の特徴は?葉が紅葉すると綺麗!

2018年10月21日
こんにちは!樹木博士です!

今回は「イタヤカエデ」について解説していきます!

 

イタヤカエデの樹液は、あなたも口にしたことがあるであろう〇〇の元になるのですが、それが何かわかりますか?

 

正解はこの記事でご確認くださいー!



イタヤカエデの特徴は?どんな木なの?

 

 

イタヤカエデ(板屋楓、学名: Acer pictum Thunb. subsp. mono (Maxim.) H. Ohashi, 1993)は、ムクロジ科カエデ属の落葉高木です。

 

 

落葉高木というのは、冬になると葉を落とす高い木のことですね!

 

 

高木というだけあって、樹高は20mにもなり、直径は1mほどの大木です!

 

 

カエデ類は陰樹(いんじゅ)といって、日陰や半日陰でも生育することができるんです。

 

 

 また、イタヤカエデは年輪に沿って、竹のようにまっすぐ割ることができるのが特徴なんですよ。

 

 

昔、秋田県は雪深いために竹が自生していなかったので、竹の代わりにイタヤカエデを使って、魚籠や農具の箕(み)を作っていました。

 

 

見た目の美しさやその頑丈さから、家具や楽器、スキー板やバットなどの運動具の材料として用いられていますよ。

 

 

また、商業用には向かないものの、第二次世界大戦直後の砂糖不足の際に、東北や北海道でメープルシュガーの製造が試みられたことがありました。



イタヤカエデの樹皮の特徴は?

 

 

イタヤカエデの樹皮は暗めの灰色で、わずかに縦縞の模様がみられます。

 

 

 

樹によっては縦縞が目立つものもあれば、うっすらと目立たないものもあり、個体差がありますね。

 

 

年老いたイタヤカエデの樹皮は、縦に浅く裂けます

 

 

イタヤカエデから、メープルシロップを採取することができるんですよ!

 

 

2月下旬ころになると、幹にドリルで穴をあけホースを取り付けるなどの手法で、樹液を採取します。

 

 

その樹液をろ過した後、1/35の量になるまで煮詰めることで、琥珀色のメープルシロップが完成します!

 

 

1本のイタヤカエデから200mlしか摂ることができない貴重なシロップなんですよ。

 

 

山形県金山町で加工販売されているので、是非チェックしてみてください!!



イタヤカエデの花の特徴や開花時期は?

 

 

イタヤカエデは、4~5月頃に新芽の先に鮮やかな黄色い花を、房状につけます

 

 

葉が開く前に花を咲かせるのが特徴です!

 

 

葉が開く前に花が咲くことで、この美しさをはっきりと目に焼き付けることができますね。

 

 

さて、このイタヤカエデの花ですが、雌雄同株(しゆうどうしゅ)といって、1つの木に雌花と雄花が咲くタイプの植物なんです!

 

 

雌雄同株の植物は多く存在するため珍しくはないのですが・・・

 

 

1つ面白いのが、イタヤカエデは雌雄し異花(しゆういか)といって1本の木に雌しべだけの“雌花”と雄しべのみの“雄花”を咲かせるのですが・・・

 

 

雄しべと雌しべの両方を持ち合わせた“両性花(りょうせいか)”も混在するんですよ!!

 

 

面白いですよね!!

 

 

また、花をよ~く見てみると・・・

 

 

がく片と花弁は5枚、雄しべは8つあるのがわかりますね。

 

 

近くで見るとこのような特徴が見てとれますが、遠くからみると、木に花束がついているようですね♪



イタヤカエデの実の特徴や時期は?

 

 

イタヤカエデの果実は、翼果(よくか)という、果皮の端が伸びてできた膜状の翼があり、風に乗って飛散するんですよ!

 

 

 

これはカエデ類の特徴なんですね。

 

 

この翼果は10月頃に成熟し、くるくると回転しながら落ちます。

 

 

回転しながら落ちることで、滞空時間が長くなるので、より遠くまで風に乗って飛ぶことができるんですね。

 

 

もともとは2個の翼果が向き合ったようにプロペラ状についていますが、熟すとそれぞれ分離して落ちるんですよ。

 

 

長さは約2~3センチで、褐色です。

 

 

 

 

パッと見ると、虫の羽に見えてしまいますね!!



イタヤカエデの葉の特徴は?紅葉が綺麗!?

 

 

イタヤカエデの葉は、カエデ類の中で唯一鋸歯がない全縁(ぜんえん)というタイプなんですよ!

 

 

イタヤカエデの名前の由来は、この葉からきているんですよ!

 

 

葉の形がカエルの手ににていることから、カエル手→カエデと変化していきました。

 

 

また、葉が大きく天を覆い尽くすほど覆い茂っていることから、“雨が降っても雨宿りできる屋根”に見立てて、板屋楓(イタヤカエデ)となりました。

 

 

 そういわれると、もうカエルの手にしか見えませんね!!

 

 

カエルの手・・・ではなく!!イタヤカエデの葉は対生で、水かきを思わせるように5裂あるいは7・9裂しています。

 

 

普通のカエデ・モミジより葉の切れ込みが浅くて大きいため、まさに水かきそのものですね!

 

 

ちなみに、“対生”というのは、茎の節に2枚の葉が向かい合ってついているタイプの葉のつき方をいいます。

 

 

イタヤカエデは上記でも述べたように陰性なので、少ない光でしっかりと光合成ができるように、葉が重ならないようになっているんですね。

 

 

また、葉裏の付け根に毛のかたまりがあるのも特徴です。

 

 

なると、多くの木は紅葉しますが、イタヤカエデは赤くはならず黄色く“黄葉”します。

 

 

そんなイタヤカエデの葉には、直径2~3㎜の虫こぶが見られることがあります。

 

 

虫こぶとは、虫が寄生してできた膨らみのことで、赤い斑点のようにも見えますが、やがて周囲が褐色の斑点となっていくんですよ。

 

 

カエデの葉に何か膨らみのようなものがあったら、それは虫こぶかもしれませんよ!



イタヤカエデはどこに分布しているの?

 

日本では北海道、本州、四国、九州に自生しています。

 

 

主に太平洋側の日当たりのよい谷間や、そこに接する斜面に生えていますよ。

 

 

国外であれば、南千島、樺太、朝鮮半島、中国大陸やサハリン、アムール地方に自生・分布しているんですよ!

 

 

ちなみに、北海道産のみのは“エゾイタヤ(蝦夷板屋)とも呼ばれています。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

 

 

葉の形がカエルの手という印象が強すぎて、後半の話が入ってこなかった方もいるのではないでしょうか?!

 

 

そんな方のために、サラッとおさらいをして終わりたいと思います!!

 

 

 

・イタヤカエデはムクロジ科カエデ属の落葉高木

 

 

・日陰や半日陰でも生育することができる(陰樹)

 

 

・樹皮は暗めの灰色でわずかに縦縞の模様がみられる

 

 

・メープルシロップを採取が可能!しかも貴重!!

 

 

・4~5月頃に葉の進展よりも先に開花

 

 

・雄しべと雌しべの両方を持ち合わせた両性花も雑居

(本来は雌花と雄花と別々になっている!)

 

 

・翼のある翼果は10月頃に成熟し、くるくる回転しながら散布

 

 

・カエルの手に似た葉は、少しの光でも光合成できるように対生

 

 

・北海道、本州、四国、九州に自生

 

 

翼果がくるくる回る様子をこどもに見せれば、きっと喜ぶこと間違いなしです!

 

 

ただ1つ注意したいのが、2つ組み合わさった状態では回転しません!

 

 

分離した状態でないと回らないので、お子さんに見せる際は注意してくださいね♪

 

 

また、山の谷間や斜面など足場の悪いところに生えていることがあるので、見つけた際はしっかりと安全を確認してから観察しましょう!

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。 小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。 そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw 樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!

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