イスノキの虫こぶがヤバい?葉や花、実の特徴は?画像付きで解説!
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こんにちは!樹木博士です!
今回は独特な樹木の「イスノキ」について解説していきます!
イスノキには凸凹した虫こぶというものがよくつくのですが…
それが人によってはちょっと気持ち悪いんですよね〜。
すぐ下で紹介しているので苦手な人は気をつけてください…w
あなたに伝えたいこと
イスノキの虫こぶがヤバい!
イスノキの葉には、よく虫こぶがつくんです。
それが、これです。
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左の大きい虫こぶや、右の葉についている小さい虫こぶなど、いろいろな形があります。
大きい虫こぶを笛にして遊んだことがある人もいるんじゃないでしょうか?
この黄緑~赤紫色の虫こぶは、ヤノイスアブラムシなどが寄生してできます。
虫が葉に産卵や寄生をすると、その刺激によって葉の一部が以上に発育してこぶができてしまうんです。
そのため虫こぶの中はアブラムシの住処になっているんですが、こぶの中にアブラムシがぎっしりだとおもうと、鳥肌ものですね・・・
アブラムシが出ていった後の虫こぶを笛にして吹くと「ヒョン・ヒョン」と音が鳴ることから、クスノキは別名「ヒョンノキ」と呼ばれています。
ちなみに、虫こぶはアブラムシの種類によって、形や大きさも違っていて、その虫特有の形を作ります。
虫こぶを作る理由は、虫としては餌の確保、植物としては虫をその部分に閉じ込めて分散させないようにしているのではないかと考えられていますが、残念ながら正確にはわかっていないそうです。
イスノキを見てみたい!という人は、ぜひ虫こぶを目印に探してみてください!
イスノキってどんな木なの
イスノキ(蚊母樹、柞、Distylium racemosum)は、マンサク科の高さ約20mの常緑高木で、別名ユスキノ、ユシキノ、ヒョンノキと呼ばれています。
関東ではあまり馴染みのない木かもしれませんが、乾燥に強くて丈夫なことから、本州西南部、四国、九州、沖縄列島などでは街路樹や垣根に使用されています。
また、イスノキの材はとても硬くて緻密で、さらに木肌が美しいので様々な加工がされています。
例えば、家具、杖、木刀、そろばん、櫛など。
日本では、櫛の歯が欠けることは不吉の暗示とされてたため、丈夫なイスノキの櫛は宮中や大奥など位の高い女性に納められていたんです。
他にも、材を燃やした灰は柞灰(いすばい)と呼ばれ、陶磁器のうわぐすりとしても利用されています。
イスノキの葉の特徴は?
イスノキの葉は、分厚い長楕円形で、表面に強いつやがあるのが特徴です。
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庭木図鑑 植木ペディア :「イスノキ」より引用
どうでしょうか?無毛でツルツルしていて光沢がありますね。
葉は互生といって、一つの節に一枚ずつ、互いに違う方向を向いて生えています。
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写真で見るとイスノキの互生の様子がよくわかりますね。
ちなみに、葉の生え方の違いについては、下の写真を参考にしてみてください!
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イスノキの花の開花時期や特徴は?
イスノキは、4月頃に小さい赤い花をたくさんつけます。
この花、小さいのにものすごく目立つんです!
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緑の葉の中にこの赤い花はものすごく目立ちますね!
この花は「総状花序」という花の並び方で、下から上へと並んで花が咲いていく無限花序。
基部には雄花、先の方には両性花がついています。
雄しべの先にある葯は乾燥すると裂けて、中に詰まっている花粉が大量に放出され、風や振動で広がっていきます。
ためしに手で揺らしてみると、おもったより大量に花粉が飛び散るらしいですが、試す気にはなれませんね・・・・
イスノキの実の時期や特徴は?
10月になると、1cmくらいの卵形で、毛に覆われた黄褐色の実がなります。
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「樹げむ舎」より引用
写真のように、白っぽく粉をふいたような外見をしていて、ぱっと見だとキウイフルーツに似ている実ですね。
ちなみに同じイスノキの実でも、熟していない実にはツノが2本生えています。
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ツノの正体は、大きなふたつの雌しべの突起です。
イスノキの実は蒴果といって、実が熟すと乾燥して裂けて種を放出!
熟すと内果皮がパカリと2つに弾き飛んで、下の写真のように、黒褐色でツヤツヤした約5mmの小さな種子が散布されます。
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平べったくて楕円形の種子ですね。
イスノキはどこに生えているの?
イスノキは暖かい地方の山に生える常緑樹林で、日本をはじめとする温暖な東アジアの国々が原産です。
日本では関東以西の、四国、九州、沖縄列島で自生しており、とくに九州南部では、照葉樹林を構成する主な樹木のひとつなんです!
海外では、済州島、台湾、中国南部などにも分布。
イスノキといわれてもぱっと浮かばない人も多いと思いますが、垣根などに使われている植物で、神社やお寺の境内によく植えられています。
イスノキの名前の由来は?
イスノキの名前の由来は、日本神話に由来する説と、九州特有の漢字の読み方に由来する説の2つがあります。
まず1つ目の日本神話に由来する説についてですが、イスノキは「湯津間櫛(ユツマグシ)」という櫛からきているという説です!
湯津間櫛というのは神聖な木で作った櫛という意味で、この「ユツ」の読み方が、
ユツ→ユシ→ユス→イス
という風に転訛。
平安時代に「ユスノキ」と呼ばれていたのが、江戸時代に「イスノキ」と呼ばれるようになったのではないか、といわれています。
2つ目の由来は九州特有の漢字の読み方に由来するという説です。
イスノキを漢字で表すと「柞」となるんですが、この漢字は本来は「イスノキ」ではなく、「ホウソギ」と読まれており、このホウソはハハソの音便で、コナラの木類を表しているんです。
ですが、イスノキが主に生息していた九州では「柞」を「ユス」と読むことから、
ユス→ユシ→イス
と変訛して「イスノキ」と呼ばれるようになったという説です。
まとめ
この記事では、イスノキの特徴や名前の由来について解説していきました!
イスノキの特徴については、
・葉に光沢がある
・花は総状花序で、赤く小さい花がたくさん咲く
・10月になると毛に覆われた黄褐色の実がなる
・暖かい地方の山に生える常緑樹林
でしたね!
また、名前の由来については2つの説があり、
・日本神話の「湯津間櫛(ユツマグシ)」という櫛が由来
・イスノキを表す「柞」の漢字を九州ではユスと読むことが由来
でした!
子供のころに笛にしていた「ひょんの木の実」についてよく知ることができましたね。
それにしても、何気なく使っていた笛がアブラムシによるものだとおもうと、なんだか微妙な気持ちになってしまいますね・・・(笑)
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!
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