栴檀ってどんな木?白檀とは違う?花言葉や香り、種類や実・花の時期
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こんにちは!樹木博士です!
今回は「栴檀」という樹木について解説していきます!
栴檀とよく似ている名前の樹木である白檀との違いについても書いていきますので、しっかりと学んでいきましょうー!
あなたに伝えたいこと
栴檀(センダン)の花言葉や名前の由来を紹介!
栴檀は5月から6月にかけて薄紫色の花を咲かせ、緑の果実がたくさん実ります。
実った果実は10月ごろに熟して黄色くなり、葉が落ちきった後も果実だけが残ります。
栴檀はもともと棟(あふち、オウチ)とよばれていました。
しかし、果実の実った姿が数珠のように見える千珠や、千団子に見える事から栴檀の名前の由来となったそうです。
とは言え、他にも諸説あり一定ではないようです。
花言葉は「意見の相違」
栴檀(センダン)と白檀(ビャクダン)は違う木なの?
栴檀と白檀はよく混同されることがあります。
しかし、これらの植物は全く別物です。
では、栴檀と白檀はどう違うのでしょう?
白檀はインドが原産国の熱帯性常緑樹です。
英名の「サンダルウッド」と言えば聞いた人も多いのではないでしょうか?
香木として用いられ、爽やかで甘い香りを放ちます。
香木という点では似ていますが、特徴的な違いは常緑樹である事です。
栴檀は秋になると落葉しますが、白檀は常緑樹のため落葉しません。
また花も栴檀の薄紫色に対し、赤紫色です。
果実においても白檀は栴檀とは違い、いくつも連なって果実が出来るわけではありません。
果実の色は赤色で熟すと、黒色となります。
白檀は半寄生性の植物の為、育ち方にも特徴があります。
最初は独立して育ちますが、成長するにつれ他の植物の根に寄生して水分や栄養分を収奪します。
このように全く別物の植物が混同される様になったのはなぜなのか?
白檀は原産国であるインドではチャンダナと呼ばれており、中国に渡った際にチャンタンとなって「栴檀」の文字が充てられました。
その後、日本に伝わった際に「栴檀」をセンダンと読み間違えた事によるものとされています。
その為、現在でも日本原産の栴檀(あふち、オウチ)とインド原産の白檀(栴檀)が混同されているのです。
栴檀(センダン)の香りが凄い!?
道を歩いていたら飲食店も無いのにとても甘い香りが漂ってきたこと経験ありませんか?
それはもしかしたら栴檀かもしれませんよ。
栴檀は開花の時期にとても甘い香りを放つんです。
その香りはバニラやチョコレートのような香りに似ており、香水の原料にも利用される事もあるそうです。
栴檀(センダン)ってどんな木?特徴を解説!
栴檀は日本の本州(伊豆半島以西)、伊豆諸島、四国、九州、沖縄といった比較的暖かい地域に自生します。
栴檀はとても大きく育つ樹木で高さは10mから15mにまで達する事もあるそうです。
また、大きく育つ事に加えて枝葉が良好な木陰を作る事から学校や街中に植えられることも多いです。
栴檀は生命力が非常に強く、根元から狩りとってもすぐに新しい芽が生えて来てしまいます。
その為、完全に駆除をしようと思うと根から引き抜かなくてはならないんです。
ここ最近、沖縄県に自生している栴檀から抽出した成分にインフルエンザウイルスを不活化させる働きがある事がわかりました。
今後のインフルエンザの予防、治療の研究に期待されているようです。
花の特徴や開花時期
花の大きさは約2㎝程度で花弁は5枚、おしべは紫色で筒状に形成されています。
おしべの形状が特徴的ですね。
開花時期は5月から6月で一つ一つの花は小さいですが、固まって咲く事で木全体が覆われて美しい姿が見られます。
葉の特徴
「植木ペディア」より引用
葉は互生(茎の節1つに対して1枚)。
2~3回の奇数羽状複葉。先端の小葉は楕円形で鋸歯のような形状をしています。
羽状複葉…1枚の葉が進化する事で数枚の葉に分かれたもの
幹の特徴
樹皮は若いうちは紫褐色で次第に黒褐色となり、針葉樹のように縦に裂けます。
樹皮は昔から副作用の少ない漢方(駆虫薬)として使用されることが多いのです。
漢方薬名は苦棟皮(くれんぴ)で根の皮や幹の皮を乾燥させて作られます。
実の特徴や毒について
栴檀の果実は約1~2㎝の大きさで、楕円形。
10月~12月頃に黄色く熟れだし、冬が近づくにつれて葉が落ちても果実だけは枝に残ります。
残った枝はよく鳥がついばんでいますが、果実には毒があるので注意が必要です。
果実に多く含まれるサポニンという成分が人や犬などの動物には毒となり、中毒症状を引き起こします。
鳥にはこの毒が効かないようです。
症状は軽いもので腹痛、嘔吐。ひどくなれば痙攣やショック症状が出現し、最悪死亡することもあります。
栴檀(センダン)の種類は?
栴檀にはいくつか種類があります。
一才栴檀
早咲きの栴檀ですね。種類によりますが、班入りの品種は葉が茂る前に花だけ満開になりとても美しい姿を鑑賞することが出来るんですよ。満開の桜みたいですね。
トウセンダン
中国が原産の栴檀で、大きく育つのが特徴です。大きいもので樹高30mを超えるものまであるのだとか。果実も25㎜程度と大きいんです。
トキワセンダン
インドシナ半島や中国原産の栴檀でこれらは葉や果実が大きく育つのが特徴です。
栴檀(センダン)はどこに生えているの?
生息地はヒマラヤ、中国、台湾、朝鮮半島南部、日本の熱帯・亜熱帯に自生しています。
日本では本州(伊豆半島以西)、伊豆諸島、四国、九州、沖縄といった比較的暖かい地域に分布していて特に海岸近くや森林辺縁に自生している事が多いんです。
まとめ
今回の記事では栴檀についてお話をさせてもらいましたね。
・名前の由来は果実の実った姿から名付けたのが通説。
・実は昔から知られている栴檀は白檀という全く別の植物。
・栴檀は開花の時期になると、とても甘い香りを放つ素敵な植物。
・栴檀の特徴はとても大きく育ち生命力あふれる植物。ただし、果実は猛毒にて要注意。
・栴檀にはいくつか種類があり、そのほとんどが暖かい地域に自生している。
いかがだったでしょうか?
実は栴檀だと思っていたのは全く別物だったり、鳥が食べている果実が実は人間には有毒だったり驚く事がたくさんあった栴檀でした。
しかし、満開にさいた栴檀は非常に美しく、また甘美な良い香りを放つなど魅力的な姿もありましたね。
相反する二つの姿を持つ栴檀は「意見の相違」の花言葉がよく似合う植物でした。
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
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