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タムシバとコブシの違いは?花言葉は?実や花の香りや季節は?葉の特徴も解説!

タムシバとコブシの違いは?花言葉は?実や花の香りや季節は?葉の特徴も解説!

2018年10月13日
こんにちは!樹木博士です!

今回は「タムシバ」という樹木について解説していきます!

 

タムシバの花言葉やコブシとの違いなどについて書いています!

 

ぜひご覧ください〜。



タムシバの花言葉は?

 

タムシバの花言葉は「友情」です。

 

その由来は、純白で曇りのない花姿からといわれています。

 

どんな花姿をしているんでしょう?見てみたいですね。

 

タムシバとコブシの違いは?

 

これからタムシバの特徴などについて解説していこうと思うのですが…

 

その前に。

 

「タムシバ」と「コブシ」という木を混同している人をよく見かけるんですよね〜。

 

確かに、タムシバとコブシは同じモクレン科モクレン属の仲間なのでその気持ちも分からなくはないのですが….

 

2つの間には決定的な違いがけっこうありますので間違えないようにしましょう!

 

これからタムシバについての解説をしながらコブシとの違いについても触れていきますので!

 

まずは、タムシバの名前の由来や特徴について解説していきたいと思います!

 

タムシバって、別名「カムシバ」とも呼ばれているんですけど….

 

これって昔、林業をしていた人たちがガムのようにタムシバを噛んでいたことから命名されたって知ってましたか?



タムシバってどんな木?名前の由来は?

 

タムシバ(田虫葉)はモクレン科モクレン属の落葉小高木(らくようしょうこうぼく・冬になると葉が落ちる、高さ5m~10m未満の木)です。

 

ここで、「タムシバ」と「コブシ」の違い、その1!

 

タムシバの樹高は約3m~9m、コブシは約5m~18mもの高さになります。

 

コブシより、小ぶりな?樹木なんですね。

 

それにしても「タムシバ」って風変りな名前だと思いませんか?

 

由来は、カムシバが訛ってタムシバになったという説と、葉っぱにタムシ状の白い斑点があるから、という説があります。

↓↓↓↓ 斑点のある葉

(う~ん、斑点がタムシみたいだからそんな名前にしたなんて、ちょっとかわいそうな気がするんですけど… w)

 

この木は、別名「カムシバ」と呼ばれていることはもう知ってますよね?(2:タムシバとコブシの違いは?で解説しています!)

 

「カムシバ」は「噛む柴」という意味で、小枝を噛むとキシリトールみたいな甘味や、爽やかな香りがするため。

 

「サトウシバ」と呼ばれることもあり、枝だけではなく、樹皮、葉にも同じ風味があります。

 

この木は、もうひとつ、「ニオイコブシ」という別名を持っているんです。

 

由来はもちろん、花の香りが抜群によいから。

 

では、待望の花姿を見てみましょう!



タムシバの花の季節や香りは?開花時期はいつ?

 

タムシバの花 ↓↓↓↓

 

引きで見るとこんな感じ  ↓↓↓↓

 

うん、純白で可憐な曇りのない花姿!しかも、まだ肌寒そうな景色の中で咲いていますね!

 

山に春を告げる花なんです。

 

タムシバが身近に見られる山村ではこの花の開花が農耕の目安とされていました。

 

タムシバが咲いたから種を蒔こう、という感じで、畑を耕す時期が来たよ、ということを昔の人に知らせる役割を担っていたんですね。

 

早春(3月末から4月半ば頃)、ほとんど隙間なく白一色に咲く花です。

 

まだ冬枯れの木も多い山々を雪のように白く彩って、遠くからもよく目立ちます。(標高の高いところでは、6月ごろやっと咲いたりします。) 

↓↓↓↓

 

つぼみは、前年の秋には形成されていて、長い冬の期間、ずっと寒さや雪に耐えているんです。(ますます可憐な花ですねw)

 

寒いからか、銀色の長い毛に包まれていて、越冬の姿すら美しい!。

↓↓↓↓

 

春の兆しが訪れると、一気にふくらんであっという間に花を開きます。

 

雌しべと雄しべがある両性花で、花弁(はなびら)は6枚、すっかり開花した状態でも直径約6cm~10cmほどの小さめな花です。(コブシの花よりは大きいものが多く、香りも強い)

↓↓↓↓

 

花の中心が雌しべ(柱状)、その周りを囲むのが雄しべ(ヘラみたいな形)です。

↓↓↓↓

 

ここで、「タムシバ」と「コブシ」の違い、その2!

 

タムシバの花は、下に葉っぱがなく、コブシの花は、下に1枚葉っぱが付いています。

↓↓↓↓ タムシバ

 

↓↓↓↓ コブシ

 

わかりやすい違いですね、花の下を見るとすぐに見分けることが出来ます。

 

ガクも、タムシバは白色で3枚、コブシは緑色で3枚ですが小さいので目立ちません。

 

開花時期も違って、タムシバは、コブシより1ヶ月ほど遅れて咲きます。

 

タムシバの花は、とても良い香りがするんです。

 

香水の原料にするために、かつてはつぼみがよく摘まれていたほど。

 

花に鼻を近づけなくても、びっしりと花が咲いている場所では、風に乗って甘い香りが漂って来ます。

 

また、このつぼみは「和辛夷(わしんい)」という生薬としても使われているって、知ってましたか?

↓↓↓↓ タムシバのつぼみ

 

どんな薬効があるんでしょう?

 

「和辛夷」単独では、鼻カタル、蓄膿症(鼻粘膜の充血を和らげ空気の通りをよくしてくれるんです)、また、頭痛にも用いるんですが、大部分は漢方薬「辛夷清肺湯、葛根湯加辛夷川」(いずれも初期の鼻炎薬)の原料として用いられています。

 

どうやって作るのかというと、まだ雪の残る1月~2月頃に開花前のつぼみを摘み取り、陰干しにします。

 

現在、日本での「和辛夷」の生産は、野生のタムシバだけに頼ってつぼみを採取しているため、収穫高も価格も、その年により大きく変動している状況です。

 

実はこのタムシバの花、冬眠から覚めたツキノワグマの大好物!と言われています。

 

クマは、穴から出ると、タムシバの花やオオバクロモジの若芽を手前に手繰り寄せて食べるとか。

 

ホントに花を食べるんでしょうか?

 

↓↓↓↓

 

本当みたいですよ… 



タムシバの実の季節や特徴は?

 

タムシバは8月~9月に実をつけます(熟し切るのは10月頃)。

 

果実は、袋果(たいか・内部に種子を含んだ、袋状の果実のこと)で、これもまたコブシとよく似ているんです。

 

なので、「タムシバ」と「コブシ」の違い、その3!

 

タムシバの実はコブシよりやや小さく、捻じ曲がらないのが特徴です。

↓↓↓↓

 

こちらはコブシの実(不規則に捻曲がり、いろいろな形になることがあります。)

↓↓↓↓

 

って、似てますよね~、ほんとのところ、見た目にはほとんど変わらないんです。

 

どちらも熟して袋が裂け、赤い種子が出てきたところです。

 

若い実は、まだ袋がしっかりしていて緑色。

↓↓↓↓ (タムシバの若い実)

 

やがて、赤く色付きはじめます。

↓↓↓↓ (タムシバの色づきはじめた実)

 

そして袋が裂けて赤い種子が見えてくるんです。

↓↓↓↓ (タムシバの袋が裂けてきた実)

 

熟し切っても、すぐには地面に落ちず、このように白い細い糸でぶら下がることがあります。

↓↓↓↓

 

これは、タムシバに限らず、モクレン科の樹木に多く見られます。

 

白い糸の正体は何なの?って思いますよね?

 

それは、珠柄(しゅへい)といって、胚珠(はいしゅ・成熟すれば種子になる部分)の柄です、(って、わかりにくいですね、)人間のへその緒みたいなもののことで、種子が成熟しているのに、まだ付いているのは面白い現象なんです。

 

なんらかの意味があるはず… ってなりますよね。

 

赤い皮の下には白い油脂層があって、これが鳥の好物と言われています。

 

「食べて~」って、鳥にアピールしているみたいですよね?

 

おそらく鳥に食べられることによって、種子が親木から離れた場所へと運ばれてゆくのでしょう。(コブシの実を食べに来る鳥を観察した結果、ヒヨドリ、ムクドリ、ハシブトガラスの3種類が確認されていますが、タムシバについての観察はあまりされていないようなので、推測です!)

参考サイト URL https://www.city.abiko.chiba.jp/bird-mus/info2/list.files/2007.3.Vol.15-2.pdf

 

タムシバの赤い皮を取り除いた種子本体、大きさは約5mmと小さめ。

↓↓↓↓

 

コブシの種子本体、約1cmでハート型をしていて、真ん中がへこんでいます。

↓↓↓↓

 

種子本体を比べてみてやっと違いがはっきりしますね~。

 

とにかく似ているタムシバとコブシなんですが、葉には決定的な違いがあります!

 

実ができるころは葉が茂っているので、葉を見てみましょう、全く違うので区別はすぐにつくんです。

 

葉っぱに?、どんな違い?、早く知りた~い!(ですよねw)。



タムシバの葉の特徴は?

 

それでは、いきましょう、「タムシバ」と「コブシ」の違い、その4~!

 

タムシバの葉はコブシよりも細長くて明らかに幅が狭いんです。(って、期待したほどの違いじゃなかったでしょうか?w)これだけではないですよ、まだまだあります!

 

タムシバの葉(表)

↓↓↓↓

 

タムシバの葉は中央部の幅がいちばん広いですよね。

 

コブシの葉(表)

↓↓↓↓

 

コブシの葉は全体的に幅が広くて、先端に近い部分がいちばん広くなっています。

 

葉の表側を見ただけでも、すぐに違いがわかりますが、タムシバの葉は裏側が白味を帯びているのも特徴のひとつです。

↓↓↓↓

 

こちらはコブシの葉の裏側、淡緑色です。↓↓↓↓

 

実を付けている時の、引きの画像で比べてみたいですよね?

 

タムシバ ↓↓↓↓

 

コブシ ↓↓↓↓

 

うん、確かに葉を見るだけで、簡単に区別することができますね!

 

タムシバの葉の特徴は他にもあります。

 

枝と同じように、葉も噛むとキシリトールガムに似た甘くて爽やかな味がするんです。

 

葉を揉むだけでも、すっきりした香りを楽しむことができます。

 

花期は短く、いい香りも早春のほんのひとときなんですが、葉は結構長い期間ついているので、味や香りも長く楽しめますよ~。

 

ところで、植物によって、葉のつき方にいろいろな種類があるって知ってましたか?

 

↓↓↓↓  葉序(ようじょ・茎に対する葉のつき方)といいます。

 

タムシバの葉序は互生(ごせい・一つの節に一枚の葉がつく)です。

↓↓↓↓

 

そして、若い葉は赤みが強いんです。

↓↓↓↓

 

ここで、「タムシバ」と「コブシ」の違い、その5!

 

これも決定的な違いですよ~。

 

タムシバの葉は、花が散ってから伸びて来ます。

 

対して、コブシの葉は花期に一緒に芽吹いているんです。

↓↓↓↓ 「コブシ」

 

↓↓↓↓  「タムシバ」

 

タムシバは、花だけで葉はまだ出ていないのがよくわかりますよね。

 

冬の間、葉っぱの芽はどうしているかというと、

↓↓↓↓

 

芽鱗(がりん・冬の間芽を保護している被い)に包まれているんです。

 

花が散った後、赤みの強い新葉が芽吹いて伸び始めます。

↓↓↓↓

 

だけど、タムシバって、どこに生えてるんでしょう?通りかかっただけで、花や葉のいい香りがするからすぐわかるって言うんですけど。



タムシバの分布は?どこに生えているの?

 

タムシバの原産地は日本。

 

生えている場所は、本州や四国、九州の山地で、特に日本海側の多雪地帯によく見られます。

↓↓↓↓

 

このように、深い山の斜面や尾根に自生しています。(ブナの木が生えている場所に多いです。)

 

不思議なことに、北側の斜面に生えていることがほとんど。

 

なぜでしょう?

 

北側ならば雪が溶け残る期間が長く、雨が降らない日が続いても水が確保できるからではないかと考えられます。

 

また、タムシバは西日本に分布する高木型と東日本に分布する低木型があり、これら2型は別種と考えられているんです。(これも、考えられているだけです、タムシバの研究って、あまり進んでいないようですね。)

 

とにかく、タムシバはなんだか寒くて日照時間が短い、生息には厳しいんじゃないかと思える場所を選んで生えているみたいです、というか、実際にそういう場所に生えています。(う~、私まで寒くなってきましたw)

 

ここで、「タムシバ」と「コブシ」の違い、その6!

 

タムシバは標高の高い場所に見られ、コブシは山地から丘陵地、平地でも見られます。

 

山裾に咲くコブシ 

↓↓↓↓

 

タムシバとコブシは、地域や環境で棲み分けているんです。

 

公園に植えられたコブシ ↓↓↓↓

 

うん、ビルより低い!w。

 

タムシバは、(日本海側の深山に生えているものは特に)積雪によって根元が大きなカーブを描くように曲がっています。

 

なので、まだ残雪がたっぷりある中、木々の先端が起き上がって花を咲かせている時には低い木のように見えても、立ち上がった先端は5m以上あったりします。

↓↓↓↓

 

雪に耐えて育つ樹木の多くは、幹そのものがしなやかで弾力のあるものが多いんです。(じゃないと雪の重みで折れてしまいますもんね。)

 

尾根に多いので、自生地では登山道脇に必ずといっていいほどあります。

↓↓↓↓

 

葉っぱは水をはじく性質があり、葉の上に朝露がたまっていることから、登山中の水分補給に利用することができます。

 

水滴を落とさないように、そっと葉に近づいて口でシュッと吸い込みます、これが結構のどを潤してくれるんです。(気分よくなれそうですね、チャンスがあればぜひお試しを~)



まとめ

 

この記事ではタムシバについて解説していきました!

 

特徴については、

 

・樹高約3m~9m

・花は白色で香りが強い

・つぼみには薬効があり、生薬として使われている

・種子は赤い皮に被われ、熟す前は袋に入っている

・枝や葉は噛むと甘味や爽やかさがある

・生えている場所は本州や四国、九州の山地(日本海側の多雪地帯に多い)

 

でしたね!

 

そしてよく似ているコブシとの違いについて解説していきました!

 

 

・タムシバは高さ約3m~9m

 コブシは約5m~18mにもなる

・タムシバの花の下には葉がついていない

 コブシは1枚葉がついている

・タムシバは実がやや小さく捻曲がらない

 コブシはやや大きく不規則に捻曲がる

・タムシバの葉は細長く裏が白い

 コブシは幅広く、裏は淡緑色

・タムシバの葉は、花が散ってから伸びる

 コブシは花期に一緒に芽吹く

・タムシバは、標高の高い場所に生える

   コブシは 山地から丘陵地、平地にも見られる

 

でしたね!

 

タムシバって、花は美しくよい香りがあり、咲くことで農耕の季節を告げてくれるし、つぼみには薬効がある。

 

葉にもよい香りと味があり、朝露のしずくで山を登る人々に水分を提供してくれる、枝にも味があり… 、ってどれだけ人に優しい樹木なんでしょう?

 

これからもよろしくねって、声をかけたくなりましたw。

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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。 小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。 そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw 樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!

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