クサイチゴってどんな木?実の味や食べ方は?花や葉の特徴や時期も解説!
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こんにちは!樹木博士です!
今回は「クサイチゴ」という樹木について解説していきます!
とても美味しい赤い実をつける樹木なので、あなたも知っているかも知れませんね!
ただ、花の特徴や葉の特徴なども知っていますか?
クサイチゴのすべてを書いていきますよー!!
あなたに伝えたいこと
クサイチゴの特徴は?どんな木なの?
クサイチゴは、漢字で「草苺」と書く、バラ科キイチゴ属の落葉小低木(らくようしょうていぼく・冬になると葉が落ちる、成長しても樹高が低い木)です。
別名「早稲苺(わせいちご)」とも呼ばれます。(由来は、キイチゴの中では果実の出来る時期が早いことから)
また、「鍋苺(なべいちご)」という別名もあり、こちらは果実を割ってみると、鍋のように中が空になっていることが由来です。
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「福原のページ」より引用
クサイチゴは、樹高が約20cm~60cmと低いため、草のように見えるので、そう呼ばれていますが、実際は、樹木なんですよ。(既に草苺という名前がついてしまっていますが… w)
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このように道端に生えているわけですが、確かに、草?と思ってしまいますよね。
生命力は強く、刈り取っても、根が残っていれば、また生えてくるほど。
茎や枝には短くて軟らかい毛と腺毛(せんもう・表面に生える毛のうち、分泌物を出すもの)が生えていて、細かい棘があります。(バラ科なので、棘があるというのは納得ですね~)
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野イチゴって、よく聞く言葉ですけど、その大部分はバラ科キイチゴ属なんです。
クサイチゴは、中でも一般的によく知られている種類で、日当たりのいい草地、登山道などに生えています。
さて、この実はもちろん食べられるんですよね?(よく食べてますよ!って人も多かったでしょうか?)
はい、食べることができます!実の特徴を詳しく見ていきましょう!
クサイチゴの実の特徴や時期は?
クサイチゴの実は、初夏(5月~6月頃)に赤く熟します。
直径約1cmの球形で、良く見ると、赤い透き通った粒が集まって丸くなっているのがわかります。
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もうちょっとアップで見ると、果肉が透明なので、粒々1個ずつの中に種子が透けて見えますよ。
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この粒のひとつひとつは、受粉した雌しべが成長したもので、小さいけど果実なんですね。
このように果実が集まってついているものを「集合果(しゅうごうか)」といいます。(クサイチゴを含むキイチゴ属がつける実は集合果)
雌しべがうまく受粉できたかどうかで、粒の大きさが違ってきます、つまりじゅうぶんに花粉をつけることができた雌しべは、良く育って大きな果実をつけるということです。(食べる方としては、大きい方がいいので、いつもたくさんの花粉をうまくつけてほしいな、と思ってしまったのは私だけでしょうか?w)
でも、熟した実はそのままにしておくと、自然に落ちてしまいます。
地面に落ちた実は、そのままにしておくと芽を出すかも知れませんが、熟れた実を見つけたら食べたいですよね?どんな味がするんでしょう?
クサイチゴの実の味や食べ方は?
クサイチゴの実は赤く熟したら食べ頃です。
酸味が少ないのが特徴で、そのまま水で洗って食べても、とても甘くて美味しいんですが、ジャムにしてもよいですし、果実酒にする人もいます。
一時期に大量に採れるので、保存できるジャムや果実酒もいいですね。(私は、ラズベリーを冷凍したことがあり、クサイチゴも洗って冷凍しておけば、いつでも解凍して生食できますし、お菓子作りにも使えると思います!… 「お菓子作り」というのは、私の場合、コンビニスイーツの上に1個乗せてみたりすることです!w)
ところで、クサイチゴと似ている、ヘビイチゴという実を見たことはありませんか?ヘビイチゴも日本全土に分布していて、畔道や、湿気のある草地によく自生しています。
ヘビイチゴの方は、バラ科キジムシロ属の多年草で、樹木ではありません。
↓↓↓↓ (ヘビイチゴ)
↓↓↓↓ (クサイチゴ)
パッと見たところは似てますね~。
でも、ヘビイチゴの実は、粒が集まっている集合果ではなく、痩果(そうか・単純な果実の一種で、雌しべ1つに実が1つ)で、種子が果皮に覆われているんです。
その果皮に粒々があるので、似ていると言われますが、見分けることは簡単にできます。
ヘビイチゴは、毒がありそうな名前ですが、毒は無く、食べられます。(間違えて食べることもなさそうですが、食べちゃっても大丈夫なんですね、でもあまり美味しくはないとのことです… )
そういえば、クサイチゴの花はまだ見ていませんでしたよね?どんな花を咲かせるんでしょう?
クサイチゴの花の特徴や開花時期は?
クサイチゴの花期は3月~4月です。
花の特徴は、直径約4cmで、花弁(かべん・はなびら)が白く、5枚あり、長さ約1.5cm~2cmの卵形をしています。
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イチゴの花~、でも、野生だよ!って感じが出てますね。
ひとつの花の中央に雌しべがたくさんあり、その周囲に雄しべもたくさんあります。
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↓↓↓↓ (中央部分)
ホントにいっぱい雌しべと雄しべがある花です、このたくさんの雌しべが受粉して粒々果実の一粒になるんですね~。
花柄(かへい・花をを支えるための茎)や、萼(がく)の外側には、枝と同じように短くて軟らかい毛と腺毛が生えています。
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この、白くてキレイなクサイチゴの花言葉は、「幸福な家庭」「尊重と愛情」「甘い香り」「誘惑」「先見の明」など。
クサイチゴだけでなく、イチゴと呼ばれるもの全般につけられている花言葉です。
「幸福な家庭」は、親株から多数の小ヅルが出ていることが由来と言われています。
「尊重と愛情」は、西洋の花言葉で、イチゴがキリスト教において聖ヨハネと聖母マリアに捧げられたことから、つけられたとのこと。
「先見性・先見の明」も、昔、西洋で苺の根と葉を入れた水を目にかけると、視力が回復すると言い伝えられていたことからです。
「甘い香り」、これはなんとなくわかりますよね、イチゴの果実から甘い香りが漂ってくるのでつけられたものです。
「誘惑」は、葉の部分からつけられた花言葉と言われます。
え?、葉のどんなところが「誘惑」なの?
その由来を知りたくなりますよね?次の章で葉の特徴を詳しく見ていきましょう!
クサイチゴの葉の特徴は?
クサイチゴの葉は、「奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)」です、と言われてもわかりにくいですよね。
まず「複葉」とは!1枚の葉が進化または変化して数枚の小葉に分かれたものです。
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クサイチゴの葉
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1本の茎に葉が5枚ついているように見えますが、これ、小葉(しょうよう・複葉を構成する小さい葉片)が5枚で、1枚の葉なんですね。
そして、「羽状複葉」とは! 鳥の羽根のように、両側に対で小葉が付く形態です。
やっと「奇数羽状複葉」とは!までたどり着きましたよ、先端に1枚小葉がついているので、全体で奇数枚の小葉があるもののことです。
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小葉の形は卵形、先はとがっていて、葉縁(ようえん・葉の周縁部)は、鋸歯(きょし)という細かい切れ込みがあり、それぞれの鋸歯にさらに小さな鋸歯がある重鋸歯(じゅうきょし)という形状をしています。
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クサイチゴの葉は、先ほどの写真で見た小葉が5枚ついているものと、3枚ついているものがあります。
徒長枝(とちょうし・樹木の幹や太い枝から真っ直ぐに長く太く伸びる枝)につく葉は、小葉が5枚、花をつける枝につく葉は小葉が3枚なんです。
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不思議ですね~。
さて、「誘惑」という花言葉の由来ですが、イチゴの実が熟して赤くなる頃には地面に着いてしまい、葉に隠れて誘惑しているように見えることからつけられたようです。
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寒い年は冬に地上部が枯れてしまうこともありますが、葉をつけたまま冬越しできる年もあります。
↓↓↓↓ (冬のクサイチゴ)
ところで、クサイチゴって、どこに生えているんでしょう?
クサイチゴの分布は?どこに生えているの?
クサイチゴは、中国、朝鮮半島、日本に分布しています。
日本では、本州、四国、九州と広い範囲で、山野などに普通に見られます。
生命力が強いので、都市部でもこんなところに?っていう場所に生えていたりします。
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都会で見つけたクサイチゴも食べられるとは思いますが、あまり空気がきれいじゃないところだったら、食べようとは思わないかな~。
まとめ
この記事ではクサイチゴについて解説していきました!
まずクサイチゴの特徴などについて!
・草ではなくて、樹木である
・枝や茎には棘がある
・実は初夏に赤く熟す、美味しく食べられる
・花は白色で春に咲く
・葉は縁に細かい切れ込みがある
でしたね!
そして、花言葉について解説していきました!
・「幸福な家庭」、「尊重と愛情」などいくつもの花言葉がある
・クサイチゴだけではなく、イチゴ全般につけられた花言葉で、由来は西洋からのものが多い
でした!
最後に生えている場所について!
・分布は、日本の本州、四国、九州のほか、中国や朝鮮半島
・生命力が強く、街中でもちょっとした隙間から生えていたりする
でしたね!
それにしても、野生なのに甘くて美味しい実をいっぱいつける樹木って珍しいですよね~?しかも普通に道端など、手の届く場所に生えていてくれるなんて、嬉しいです!
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!
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