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ねむの木ってどんな木?特徴や種類、花言葉、名前の意味、季節を解説します!

ねむの木ってどんな木?特徴や種類、花言葉、名前の意味、季節を解説します!

2018年10月11日

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こんにちは!樹木博士です!

今回は「ネムノキ」という樹木について解説していきます!

 

ネムノキって不思議な樹木で、夜になると眠るんですよ〜!

 

まぁ、それが名前の由来なんですけど、どんな風に眠ると思います?

 

見た目ですぐ分かるような眠り方をするんですよ!

 

まるで動物かのように…



ねむの木の名前の意味!由来や語源を紹介!

 

ネムノキって面白い名前ですよね。

 

この名前は「ネブリノキ(眠之木)」に由来し、夜になると葉っぱが”眠るように”閉じて垂れ下がることによります。

 

このことを専門用語で、「就眠運動」っていうんですが、まさに”眠りに就く”ことを指しているんですね。

 

「ネブリ」という発音は、昔は「眠る(ねむる)」を、「眠る(ねぶる)」と発音していたから。

 

現在でも一部の地域では、ネブノキって呼ばれているんです。

 

後ほど解説しますが、ネムノキはどうやって夜と昼を判断しているかと言うと…

 

実は人間と同じように、体内時計によって判断しているんです。

 

賢いですね!

 

そんなネムノキの姿を確認してみましょう…

↓↓↓

 

こうして見ると、あまり馴染みが無いかもしれませんが…

 

実は、某機電メーカーのCMにも採用されているんです!

(この木なんの木~♪というCMです)

 

こっちの画像の方が分かりやすいかもしれませんね♪

 

↓↓↓

 

なるほど!見たことある!という方も多いのでは?^^

 

特徴的な葉っぱの形も確認してみましょう…

↓↓↓

 

ネムノキは別名「合歓木」とも言います。

PCで”ネムノキ”と入力すると、変換候補にこの漢字が出てくるはず。

 

この「合歓(ごうかん)」という言葉の意味は…

なんと、【男女が共寝すること、喜びを共にすること】を現しているんです!

 

これには諸説あるのですが、その一つには、ネムノキの葉っぱがぴったりくっついていることから、「葉がピッタリとくっつき、男女が共寝する姿に似ている」という外見上の理由。

 

もう一つには、中国の伝説に「不機嫌になった夫に、ネムの花を酒に入れて飲ませると、機嫌が良くなる」という話があるのですが、そこから「家族が仲良くなる、喜びを共にする」という意味で「合歓」という言葉が使われたと言われています。

 

いずれにしても、仲良しな様子を示しているので、なんだか微笑ましく、縁起がよさそうな気がしますね^^



ねむの木の特徴とは?時期や季節を解説!

 

ネムノキは、【マメ科ネムノキ亜科】に属しています。

 

多くのマメ科の植物がそうであるように、根粒菌と共生関係にあります。

(生物の授業で昔習いましたよね??詳しい説明はここでは省きます!)

 

大きいものだと、高さ10m、直径30cm程になり、その多くが逆三角形の樹形になります。

 

これは太い枝が斜めに伸びる特徴を持っているからです。

 

ねむの木の葉の特徴

 

冒頭で、ネムノキは”眠る”から「ネムノキ」です、と紹介しました。

 

次から、その眠りの仕組みについて解説していきます^^

 

ネムノキの最大の特徴ですから、しっかり押さえておきましょうね!

 

ネムノキが「眠る」メカニズムについては、最近の研究で明らかになっています。

 

そもそも、植物だけでなく動物も含め、すべての生物は、約24時間を周期とするリズムを持っていて、これを生物時計と呼んでいます。

 

時計を見なくてもなんとなく時間が分かったり、「腹時計」で食事の時間が分かるなんていうのもその一つ。

 

「時差ボケ」は、生物時計がおかしくなってしまい、違和感のある状態のことですね。

 

その生物時計が、

・葉を閉じさせる就眠物質

・葉を開かせる覚醒物質

 

上記2つの濃度バランスをコントロールしているんです。

 

上手く昼と夜で物質濃度が逆転することによって、「眠り」が引き起こされることが明らかになっています。

 

もっと専門的に言うと…

 

ネムノキは、葉全体が茎に付着する部分と、小さな葉がそれぞれ付着する部分(葉柄)の基部がふくれていて、これを葉枕(ようちん)と呼んでいます。

 

その葉枕(ようちん)の細胞内圧力が、光の強弱でふくらんだりしぼんだりするために、葉が閉じたり開いたりするんです。

 

ちょっと難しかったですね;

 

眠るメカニズムについては明らかになりましたが、そもそもなぜ「眠る」んでしょうか??

 

じつは「なぜ眠るのか?」については、多くの科学者を悩ませていました。

 

進化論で有名なかのダーウィンもその一人。

 

あの有名なダーウィンでさえ、なかなか答えが出せなかった…それほど難問だったのです!

 

そこで、眠るメカニズムが明らかになったことを利用し、ネムノキと同じマメ科の植物から「眠らない植物」を作り、観察を行ったところ…

 

「眠らない植物」は一週間程度で枯れてしまうことが分かりました。

 

皆さんも、水をあげ忘れて植物を枯らしてしまったことはありませんか??

 

水分が少ない状態になると、植物は枯れてしまいます。

 

つまり、ネムノキは「眠る」ことによって、葉の表面から水分が蒸散することを制御していると考えられています。



ねむの木の花の特徴や時期、季節

 

ネムノキの花はとても綺麗です!

 

ネムノキは英語でSilk flowersと呼ばれていますが、これはその花に由来しています。

 

まずはその姿を確認しておきましょう…

↓↓↓

 

花の開花時期は梅雨の終わりから夏にかけて(6~7月)。

 

まさに夏にふさわしい爽やかさですね^^

 

ハケの様な?ほうきを広げたような?形が特徴的ですが…この長く伸びた糸状のものはおしべです。

 

おしべが主に花を構成しており、花弁が発達していません。

 

因みに、花の香りは桃のように甘いです。

 

先ほど、葉っぱが夜になると眠りにつく仕組みについて解説しましたが、ネムノキの花は、葉っぱとは逆に夕方に咲きます

 

花の咲く時間には、葉は眠りにつき、夜明けとともに葉は開いて花はしぼんでしまうのです。

 

なんとも神秘的ですね。

 

ねむの木の果実(豆)の特徴

 

ネムノキは、マメ科と紹介しました。

 

「マメ」と聞けば、真っ先に思い浮かぶのは、えんどう豆や小豆などの食卓でおなじみの「豆」ですよね?

 

「鞘(さや)」に種子が入っているのが共通点ですが、ネムノキの果実もやはり「豆」の特徴を持っています。

 

実際に画像で確認してみましょう…

↓↓↓

 

ネムノキの果実は中に入っている種子に対して、鞘が大きいのが特徴。

 

「必要以上に大きい」という人もいますww

 

・実際にその鞘の大きさは…10~13cm。

・中に入っている種子は…5~9mm。

 

なるほど、「必要以上に大きい」と言うのも頷けますね^^



ねむの木の幹の特徴

 

ネムノキの幹は、すべすべとしてなめらかです。

 

グレーがかった色、”灰褐色”をしています。

 

材木としては柔らかいのですが、タンスの前板や机、箱、桶、屋根板などにも用いられてきました。

 

ネムノキの幹の皮(=樹皮)は、天日乾燥すると生薬にもなるんです。

 

合歓皮と言って、利尿、強壮、鎮痛、駆虫の効果があります!

 

また、幹を黒焼きにし、打ち身の部分に貼って治す方法が、長野県の一部の地域で伝承されています。

 

海外ではネムノキの樹液を洗髪や、洗濯に用いる部族もあるとか。

 

生活の一部にネムノキが取り入れられてきたことが分かりますね。



ねむの木の種類は?

 

ネムノキの種類はいくつかありますが、自然に生えているネムノキの多くは”ネムノキ(Albizia julibrissin)”と呼ばれる種類のものです。

 

この種類のネムノキは寒さに強いため、日本全国に広く分布しています。

 

ですが、開花時期が遅いため、庭木として花を楽しむには向いていません。

 

樹の高さ(=樹高)も10メートルと高くなりすぎるためです。

 

ここでは、園芸品種として楽しめる、比較的背の低い種類のもの(=矮性)や、開花時期の早いものをいくつかご紹介します^^

 

・一才ネム

一才」という名前の通り、この種類は、開花時期が早いのが特徴。

木が若い時期から花をつけるので、鑑賞を楽しむことが出来ます。

木の高さも2~3メートルと低いため、狭いお庭でも育てやすい種類です。

 

・シロバナネム

その名前の通り、白い花をつけるのが特徴です。

この種類は寒さに弱いため、地植え(庭に直接植える)のは難しいです。

別名、ギンネム、ギンゴウカンとも呼ばれています。

 

・フイリネム

「フイリ」とは、「斑」が入っているという意味。

葉に白い「斑」が入っており、花だけでなく葉っぱも楽しめる種類です。

 

・ヒロハネム

九州にある島々でまれに見られる品種ですが、名前の通りネムノキと比べて葉が大きい品種です。

大きいのは葉だけでなく、花も大きいのが特徴です。

 

・オオベニゴウカン

この品種は、ネムノキと同じマメ科ですが、ベニゴウカン属に属しています。

花が赤く球状になるのが特徴ですが、寒さに弱いという一面も。

 

・ベニゴウカン

先ほど紹介したオオベニゴウカンと似ていますが、花の色が真紅に近いのが特徴です。

同じく寒さに弱いため、地植えにするのは難しい種類です。

 

・エバーフレッシュ(アカサヤネムノキ)

この種類は観葉植物として人気があります。

アカサヤ」の別名の通り、鞘が赤い実をつけるのが特徴です。

 

ねむの木はどこに生えているの?

 

古くから、ネムノキは日本全国に分布しています!

 

ネムノキの仲間(分類学上のネムノキ属)の多くは熱帯に分布しているのですが、ネムノキはその中でも抜群に寒さに強いんです。

 

なるほど、だから日本全国に分布しているんですね。

 

万葉集、松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶もネムノキを歌にして詠んでいるんです!

 

それだけ、人との関りが多い樹、身近な樹ともいえるでしょう。

 

現在では、郊外の道路沿いや、川辺など、至るところで目にすることが出来るため、「雑草に近い存在」とも言われています。

 

雑草…と聞くと、過酷な環境下でも力強く生き抜く…そんなイメージですが、実はネムノキには、「痩せ地を好む」という性質があるんです。

 

「雑草に近い存在」と言うのも、頷けますね。

 

ふわふわとして幻想的な花や、儚げな葉が好まれ、庭木として楽しむ方も多いです。



ねむの木の花言葉を紹介!

 

ネムノキの花言葉にはいくつかありますが、「歓喜」「胸のときめき」「夢想」「安らぎ」と言われています。

 

名前の由来でも紹介しましたが、ネムノキの別名は、合歓木

 

”合歓”とは喜びを共にすること”と紹介しましたね^^

 

この別名にあるように、「歓喜」「胸のときめき」という花言葉には中国の逸話が由来しています。

 

機嫌が悪かった父に、ネムノキの花が入ったお酒を飲ませたところ、機嫌が良くなったという話が残っているんです。

 

また、「夢想」「安らぎ」の意味は、ネムノキの見た目から。

 

夜に葉が閉じて、垂れ下がる姿に由来しています。



まとめ

 

いかがでしたか?

 

ネムノキの名前の由来は、その特徴的な葉にあること、中国の逸話に由来していることが分かりました。

 

ネムノキの特徴を、葉、花、実、幹からそれぞれ確認していきました。

 

葉がどうして「眠る」のか、そのメカニズムについても理解できたと思います。

 

万葉集の時代から歌に詠まれ、生薬としても取り入れられていることから、ネムノキは私たちの生活に身近であることが分かりました。

 

雑草のようにどこでも見られる」という特徴もありましたね^^

 

終わりに、園芸品種もいくつか紹介しましたので、是非お気に入りの品種を見つけて育ててみてはいかがでしょうか??

 

ネムノキを育て、その花や葉を愛でることで、あなたの生活も「ネムノキと喜びを共にする」ことが出来るかもしれません^^



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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。 小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。 そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw 樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!

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