エゴノキの花言葉は?葉や花の特徴は?実に毒あり?虫こぶがやばい!
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こんにちは!樹木博士です!
今回は「エゴノキ」という樹木について解説していきます!
エゴノキって不思議な樹木で、花のように見えるものは、実は花ではないんです。
これ花だと思いますよね?
↓↓↓↓
見た目は完全に花ですが、実は違います。
なんだと思いますか?
答えはこの記事で確認してください。
あなたに伝えたいこと
エゴノキの花言葉を紹介!
花言葉には『壮大』と「清楚」があります。
エゴノキの花は一つ一つの花自体は小さくて白い花を咲かせるんですが、花言葉の「壮大」には似つかわしくないように思いますよね。(私も初めはえっ?なんで?って思っていました笑)
なぜこのような花言葉が付けられたのでしょう?
それはエゴノキの花が小さくても鈴なりにたくさんの花が連なって咲く事によるんですよ。
新緑の葉の中で枝を埋めて一斉に咲いて、甘く香る白い清楚な花を下から見上げた印象から「壮大」と言う花言葉つけられたのでしょうね。
確かに遠くから見た時に一斉に咲き誇るエゴノキの花は見るものを圧巻してしまいそうなくらいですよね。
ではもう一つの花言葉である「清楚」にはどんな意味があって付けられたのでしょう?
壮大と清楚。はっきり言って相反しすぎていてよくわからないですよね笑。
きっとこの花言葉は、鈴なりに咲く白い姿と小さなサイズから来ているのでしょうね。
近くで見たら可愛らしいの一言で、「清楚」の花言葉がよく似合います。
これら2つの花言葉は、一見相反しているようにも思いますがエゴノキを近くで見た時と遠くから眺めた時の見方の違いが見事に表現されていますね。
エゴノキに虫こぶが!形や見た目がヤバい!?
エゴノキは虫こぶ(ゴールもしくは虫えい)のできやすい樹としても知られています。
虫こぶってなんだ?と思う人がほとんどなのではないでしょうか?
虫こぶ・・・虫などの刺激によって、植物の一部が縮小もしくは肥大することで異常な形状になったものをいう。
これだけではなかなかイメージしづらいかもしれませんが、たまに葉っぱや枝、茎のところに丸いものが付いているなぁと思った事はありませんか?
それは虫こぶの可能性があるのかもしれませんよ?
ちなみに虫こぶの名前は、植物の名前+できた場所+形+フシ(虫こぶ)といった形で付けられるんです。
今回はエゴノキを例にしてみましょう。
例:エゴノキハウラケタマフシ=エゴノキ+ハウラ(葉の裏)+ケタマ(毛珠)+フシ
エゴノキには基本的に2種類の虫こぶができるのです。
1つは目玉のようなぷくっとしたコブのようなもの。もう一つはまるで花のような虫こぶ。
「松江の花図鑑」より引用
目玉のようなぷくっとしたコブのような物にタマバエの一種がつくった「エゴノキハウラタマルフシ」があります。
その目玉のようなものは数個つくことがあるので、ブツブツが出来ているかのようにもみえます。
最初は平べったい緑色のブツブツのように見えますが、成長してくると黄色になってきます。
葉っぱにブツブツがたくさんついてるなんてあまり想像したくはないですねw
このブツブツってなんだろうって思いません?カビ?胞子?それとも風に乗って飛んできた砂とか?
さらに成長すると球形になっていき毛珠の様に可愛い形に膨むのだそうです。
毛珠って聞くとそんなに気持ち悪い感じはしないですよね。むしろ家に持って帰って飾りたいくらいですw
でもコブの中は実はタマバエの幼虫が入っているんです。
こんなの家に持って帰って飾ったりしたらいつの間にか虫だらけなんてこともw
なので見かけた時は触ったりと取ったりせずそっとしておきましょうw
2つ目の虫こぶはまるで花か、もしくは実のようにも見える虫こぶができます。
これだけを見たらエゴノキの花と勘違いしてしまいそうですけど、先ほど書いた様に白くて小さい可愛らしい花なので間違わない様にしてくださいね。
この虫こぶは夏にアブラムシによって形成される黄緑色の虫こぶなんです。
花と前後して、エゴノキの梢のあちこちにぶら下がっていて形状は猫の足を連想させるため、「エゴノネコアシ」の名が付いています。
何か猫の足というよりバナナ?wもしかしたら名付けた人が猫足ではなくてバナナの様に見えていたら「エゴノバナナ」なんて名前になっていたかもしれませんね。
そうやって考えると名前の付け方って面白いと思いませんか?w
もちろんこの虫こぶの中にはアブラムシがたくさんいますよ。
エゴノネコアシの先端は最初閉じていますが、アブラムシ(有翅アブラムシ)が成虫になるとその穴から外へ出て行くため少し開きます。これによって花?バナナ?の様に見えるようになるんですねw
エゴノネコアシの原因となるエゴノネコアシアブラムシは、初夏にエゴノキからアシボソに移動、秋にアシボソからエゴノキに戻る興味深いアブラムシです。
これはアブラムシの生態が関係しているんです。
エゴノネコアシの先端から出たアブラムシには翅が生えていてアシボソの葉裏に移動するのですが、この時のアブラムシはみんな雌なんです。ちなみに雌がまた雌を生んで増殖しますが、この時はまだ翅の生えたアブラムシはいません。
その後、秋のエゴノキに移る時期になると翅を持ったアブラムシが生まれるのです。
エゴノキへ移った後、今度は羽のない雄と雌が生まれ交尾をして、雌がエゴノキの芽に産卵するのですがこれがエゴノネコアシとなります。
その中で羽のない雌のみが増殖し、足先から出る頃に羽の付いたアブラムシが生まれ、またアシボソに移るのです。
このサイクルを繰り返すため、エゴノキには毎年アブラムシの虫こぶができるのです。
アブラムシってすごくないです?生活環境や必要に応じて自分の姿を作り変えるんです。
普段は害虫として嫌われているけど、秘めた能力値の高さには驚きしかありませんw
アブラムシが脱出した後のエゴノネコアシは地面に落下しているので、脱出孔の様子などを観察することができます。
うーん、虫こぶの中身に興味はあるけどアブラムシがが残っているかもって思うとかなりの勇気がw
エゴノキってどんな木なの?特徴や名前の由来は?
エゴノキはエゴノキ科の落葉小高木です。別名をチシャノキとも言います。
北海道~九州・沖縄まで、日本全国の雑木林に多く見られます。
最近では公園や街路樹などどこでも見れますよね。見る機会が多い人も多いのではないでしょうか?
エゴノキの実は秋になると実り、実を口にするとえぐみがあることから名づけられました。
えぐみがあったり刺激の強い木の実って他にもたくさんあるのにエゴノキの名前の由来になったのはなぜなんでしょう?
たぶん何かしらの理由があるんだろうなぁと思うんですけど、花のなり方からもわかるようにたわわに実る実が食べれるなら食料に困らないと昔の人は考えたのに違いないとおもうんですよね。
なので、もしかしたら何とか食べようと試行錯誤したからなのかもしれないですねw
また別名のチシャノキは、実の成りかたを動物の乳に見立てた、乳成り(チナリ)ノキから転化したとされています。
高さ7~10m。大きいもので15mほどにもなり、樹皮は赤褐色でけめが細かい。
ただ、西丹沢の尾根筋(ブナ帯)に生えているエゴノキは、赤味を帯び、縦長の鱗状に剥がれる樹皮になる。とても同じ樹とは思えないです。
この違いは育った場所の土壌が関係しているんでしょうね。その辺りは植物も人間も変わりないんだなぁと思いましたね。人間も住む場所によって基本となる人間性は変わらないけど性格が変わったり見た目が変わったりしますもんねw
庭木などとして栽培もするほか、緻密で粘り気のある材を将棋のこまなどの素材にもなります。
中でもエゴノキが材料でないといけないといった物に和傘のパーツがあります。どこに使っているかですって?
傘の頭部分と開閉部分で「ろくろ」と言われているんです。ちなみに現在和傘はすごく貴重な存在なんです。
なぜならこの「ろくろ」を作っているのが日本でたった一軒、2人の職人さんしか作成できないんです。
エゴノキは身近な色々な物の材料に使われるだけでなく、貴重な日本の伝統文化にも無くてはならない樹木なんだと考えると感慨深いものがありますよねぇ。
ちなみに幹はあまり太くならず、幹が途中で大きく曲がったり、癖のある樹形になることが多いのも特徴です。(加工しづらそうw)
エゴノキの花の開花時期や季節、特徴は?
花期は5月頃、横枝から出た小枝の先端に房状に白い花を下向きに多数つけ、甘い芳香があります。
花冠は5片に深く裂けますが大きくは開かずややつぼみ加減で咲き、雄しべは10本。品種により淡紅色の花をつける種類もあります。
白い清楚な花が、枝いっぱいに咲くので、梅雨時の雑木林が一時明るくなります。
梅雨時は晴れている日が少なくて、出かけようと思っても雨だったら出かける気がなくしますよね。でもそんな時こそ外に出てエゴノキの花を見てはどうですか?
雨に打たれながらも周りを明るくするほど壮大に咲き誇った花を見ると、ジメジメとした梅雨時の憂鬱な気分が明るくなるかもしれませんよ。
エゴノキの実には毒がある!?時期や、季節、特徴は?
エゴノキは花が終わると実を付けます。噛むと強い苦み(えぐみ)があるんです。この苦みの原因が果皮に含まれているエゴサポニンと言う成分なんです。
潰して水分を加えると泡立つ性質を持つ事から、古くは石けんの代用として利用されていた様です。
昔の人はよくこんなことに気づいたなぁと感心しますよね。もしかしたら食べてみた時に口の中で泡だらけなったのかもしれないですねw
しかも泡だらけなったことで「この泡もしかしたら洗濯に使える?」っていう発想が素晴らしい。まさにおばあちゃんの知恵袋w
ただ気を付けてほしいのはエゴサポニンには毒性があるんです。まぁ、あまり食べる人はいないと思いますけどw
ちなみに多く食さなければよい様ですが、体内に取り込む事で赤血球の破壊や蕁麻疹、胃粘膜の炎症を引き起こす事があります。
赤血球が破壊されると貧血となり赤血球の働きの一つである酸素の運搬能力の低下につながります。結果、低酸素状態となり体の中の各臓器に必要な酸素の供給が出来なくなるのです。
これにより酸素を取り込もうと過換気になったり、全身の倦怠感や臓器に足りない酸素を供給しようといつも以上に心臓が頑張りすぎて疲弊する事で心不全へとつながる可能性もあるのです。
また胃粘膜の炎症に関しても炎症が弱ければ胃炎程度で済むかもしれませんが、炎症が強ければ胃潰瘍、さらに進行すれば胃穿孔(胃の壁に穴が開きます)といった事にも繋がるかもしれません。
ですので、興味本位で口にするのは止めておきましょう。
果実は長さ2cmほどの楕円形で、大きい種子を1個含みます。
熟すと果皮は不規則に破れて種子が露出し、ピーク時には果実にも同量のサポニンを蓄えますが、11月を過ぎると急激に減少します。
種子の大部分は胚乳で、この種子をヤマガラが好んで食します。
なお、ヤマガラによって果皮が除去されたエゴノキの種子は、果皮がついたままよりも発芽率が高いようです。
発芽率が上昇するのにはもちろん理由があります。果皮に含まれているエゴサポニンには発芽阻害(抑制)作用があるため、果皮が取り除かれると発芽率が上がるといったメカニズムなのです。
つまり、ヤマガラだからといった事はあまり関係ないのかもしれないw他にも実を食べに来る野鳥はいますからね。
エゴノキの実を食べる野鳥・・・ヤマガラ、ムクドリ、オナガ、ツグミ、アカハラ、ヒヨドリ、キジバト。
エゴノキの葉の特徴は?
葉は両端のとがった楕円形で互生。
枝は水平に長く張り出し、節ごとにジグザグに曲がり、葉身は卵形または楕円形、縁には細かい鋸歯があります。
あまり綺麗ではないですが、秋の遅くに黄色から赤色に変わっていきます。
あまり綺麗ではないと言いましたが、街路樹の銀杏や山手の紅葉樹のような際立った紅葉には見劣りするというだけで黄色と赤色の混じったエゴノキは独特の魅力がありますよ。
エゴノキの分布は?どこに生えているの?
北海道(日高地方)、本州、四国、九州、沖縄のほか、朝鮮半島、中国等にも分布しています。
雑木林の林縁部に生えます。
陽樹で、暗い林内では発芽、更新しないとされています。
比較的水分のある谷沿いなどで良く成長するが、芽生えや稚樹の生育範囲は広い。
近年は清楚な花のためか、庭木に使われることが多くなったが、乾燥に弱いので土地を湿潤させておく必要があります。その為、生育に水分を必要とするので、植栽にはこの点に留意する必要があります。
まとめ
今回紹介させていただいたのは、エゴノキでしたね。
・花言葉は「壮大」「清楚」。
・エゴノキには数種類の虫こぶができる。虫こぶの中身はたくさんの虫の幼虫。
・エゴノキの花は下向きに小さな可愛らしい芳香のある花が咲く。
・エゴノキの実にはエゴサポニンと言う有毒成分が含まれるため要注意。
・エゴノキの分布は北海道(日高地方)、本州、四国、九州、沖縄のほか、朝鮮半島、中国等の雑木林。
いかがでしたか?
エゴノキは虫こぶによる見た目の悪さや実の有毒性に注意が必要な事に注目されますが、開花時期のエゴノキはまさに「壮大」で「清楚」の花言葉を体現している樹木です。
また、昔から石鹸の代わりに使われたりと生活に密着した植物である事もエゴノキの魅力なのかもしれませんね。
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この記事を書いた人のプロフィール
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!
樹木博士に質問する!