モッコクの実は食用?花言葉は?花や葉の特徴や病気についても解説!
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こんにちは!樹木博士です!
今回は「モッコク」という樹木について解説していきます!
庭木としても人気なこの樹木をしっかりと学んで生きましょうー!
あなたに伝えたいこと
モッコクの特徴は?どんな木なの?
モッコクは、ツバキ科モッコク属の常緑高木で、江戸五木(えどごぼく)といわれる江戸時代に江戸で重視された造園木の一つです。
(ちなみにモッコクを除く江戸五木は、アカマツ・イトヒバ・カヤ・イヌマキですよ!!)
漢字では“木斛”と書き表し、学名は“Ternstroemia gymnanthera”とされています。
別名はイイク、イクなどと呼ばれており、モチノキやマツと並び「庭木の王」との異名を持ちます。
モッコクは常緑高木というだけあり、一年中葉の緑色をキープし、樹高は5~7メートル、大きいもので10メートルを超す固体もあるんです!
樹形としては直立して、上で放射状に広がる形になりやすく、樹齢を重ねるにつれて風格の出る樹なんですよ!
樹皮は灰淡褐色で丸い皮目があるのが特徴です。
大気汚染や潮風に強く、耐陰性が高いので日陰でも日向でもよく育ちますよ!
丈夫なモッコクですが、耐寒性にはやや劣ります。
モッコクの実の特徴や時期は?食べることができるの?
モッコクの果実は、花の後の10月~11月頃に赤く熟します!
「季節の花300」より引用
モッコクは雄しべと雌しべの両方を持つ両性花(りょうせいか)をつける株と、雄しべのみを持つ雄花を咲かせる株が存在するんです。
つまり、実をつける株(両性花を咲かせる株)と実をつけない株(雄花が咲く株)の2パターン存在します!
雄花を咲かせる方は、雌しべが退化してしまっているので、実がならないんですね。
その果実はというと、1㎝ほどの皮の厚い卵状球形で、熟すと裂けて中から濃い赤色の種子がちらりと顔を出します。
果皮の割れ方には規則性があるわけでなく、不規則にひび割れます。
鳥がモッコクの実を食べ、離れたところに運んで繁殖するようになっています。
特に、メジロ、キビタキ、オオルリなどの野鳥が好んで食べます。
ちなみに、種子は赤く目立つことから、 “アカミノキ”という別名も存在するんですよ!
赤くておいしそうな実が見えたら、遠くからでも飛んでいきたくなりますよね♪
モッコクの花の特徴や開花時期は?
モッコクは、6月の後半から7月にかけてクリーム色の花を咲かせます。
開花はその頃ですが、なんと真冬から大きな蕾をつけており、咲くまでに半年以上かかっているんですね!
先ほども軽く述べましたが・・・
株によって、雄しべと雌しべの両方を持つ両性花(いわゆる普通の花です!)をつけたり、雄花のみをつけたりします!
花は直径2㎝ほどと小さめで、葉腋(ようえき)と言われる、葉と葉のついている茎とのまたになった部分に1つぽつんと咲くのが特徴です。
葉腋に直接咲くわけではなく、1~2cmの柄の先に咲き、柄は曲がって花は下向きになります。
各葉腋に1つずつ咲くため、遠目で見ると一か所に集中して咲いているように見えます♪
1つ1つの花は目立ちませんが、まるでブーケのようですね!!
このモッコクの花は、高貴なイメージの芳香を放ちます。
その香りが石斛(セッコク:岩などに着生するランのこと)にいていることから、“香りが石斛に似た木”という意味で命名されたんですよ!
モッコクの花が咲き乱れる時期には、花の匂いに誘われてハチなどの昆虫がよく集まりますよ♪
モッコクの花言葉を紹介!
モッコクの花言葉は<人情家>です。
これはモッコクの名前からきていて・・・
モッコク⇒モツコクを分解して・・・<持つ>と<濃く>という言葉に当てはめ、『良縁に恵まれるように』という願いが込められたためだといわれているんです!
ちょっと無理やりな気もしますが、それもあって縁結びの木として扱われるようになり、神社の境内に植えられていることもあるんです!
花が咲く6月後半~7月にかけて参拝してみてはいかがでしょうか?
意外とあなたのi家の近くに神社にも、モッコクが植えられているかもしれません!
隠れた縁結びスポットかもしれませんよ♪
モッコクの葉の特徴は?
葉は互生(ごせい)といって、葉柄に対して葉が互い違いにつくタイプです。
ですが、葉柄全体に枝先に集まっているのが特徴的です♪
枝はやや放射状に分岐するのに対して、葉はしっかりと放射状に集まります。
葉の長さは、4~7㎝で倒卵状長楕円形をしており(これは見ていただいた方がわかりやすいかと!)、やや厚みがあり革質です。
葉を見てわかる通り、全縁(ぜんえん:葉の縁にぎざぎざがなく滑らか)で光沢がありますね。
葉はきれいな濃緑色で、葉脈は見られるものの不鮮明です。
十分に日の当たる環境では、葉柄が赤みを帯びるんですよ!
濃い緑色に赤色が映えて美しいですね♪
モッコクは病気になりやすい!?
モッコクは、ハマキムシという虫の被害に遭いやすく、病気にもなりやすいです。
以下にモッコクがなりやすい病気や虫被害とその対処法についてまとめたいと思います。
◆炭そ病
葉や枝に丸い灰白色の病斑が現れ、やがて発病した部分は枯れてしまいます。
枝の場合は、病斑が生じた部分から上が枯れてしまうので、被害が大きくなりがちです・・・。
対策としては、込み合った枝を剪定し、風通しを良くしてあげるのが良いでしょう。
(剪定した枝から病気が発生する恐れがあるので、きちんと処分しましょうね!!)
薬を使用する場合は、発生時期に薬液の定期散布を行って予防する方法もありますよ。
発病した場合は、その葉は焼却するか密閉して処分し、必要に応じて、薬や殺菌剤を散布します。
◆スス病
葉に黒っぽい粉状のカビが生え、発病した葉は光合成ができずにかれてしまいます。
発症しない葉はないのでは?というほど、よく見られる病気です。
樹木の葉に寄生しているカイガラムシやアブラムシ、コナジラミといった虫の排泄物や分泌物をエサにして増殖するので、必要に応じて殺虫剤も散布します。
発病した葉は焼却するか密閉して処分しましょう!
(摘み取った葉から病気が発生する恐れもあるので、きちんと処分しましょうね!!)
◆モッコクハダニ
開いたばかりの新葉が褐色化したり、黄化したりして落葉してしまいます。
被害を受けた葉を焼却するか密閉して処分します。
必要に応じて殺虫剤を散布しましょう!
◆モッコクヒメハマキ
モッコクは、このハマキムシによる被害が一番多いです。
ハマキムシは、自身が生み出した糸で葉をつづり合わせた後、その内部に潜みながら葉を食べてしまいます。
性質が悪い虫で、春から秋にかけて発生しやすく、特に梅雨から夏のあたりの被害が酷いんです・・・。
被害に遭った葉は枯れてしまうので、その葉ごと取り除くのが確実な駆除方法ですが、一度発生すると完全な駆除は難しいのが現実です。
葉が茂り風通しが悪くなると多発するので、剪定を行ったり、早期に殺虫剤を散布したり(1週間から10日おきの散布がベスト!)することで予防する方法もありますよ!
モッコクはどこに分布しているの?
南西諸島を含む日本列島、朝鮮半島南部、台湾、中国を経て東南アジアからインドに至る暖地の海岸近くに自生しています。
葉が美しく樹形が整うこともあり、庭木としてよく植栽されていますよ♪
でも、寒さに弱いため、植栽の適地は東北南部以南となっています。
ただ、関東北部より北では冬場の葉が見苦しくなりやすいので、やはり温暖な地が適していますね。
まとめ
いかがでしたか?
モッコクについて理解が深まりましたか??
モッコクは、植木としての楽しみ方も大いにありますが、建材や櫛などの木工品の素材として用いられることもあるんですよ!
その樹皮は、繊維を褐色に染める染料として使われることもあるため、知らないところでモッコクの恩恵を受けていたかもしれませんね♪
では、最後にモッコクの特徴についてまとめたいと思います♪
・ツバキ科モッコク属で、葉は一年中緑で一年中葉の緑色をキープし、樹高は5~7メートル(大きいと10メートル!)
・日陰でもよく育つが、寒さには弱い・・・
・果実は、花の後の10月~11月頃に赤く熟し、両性花をつける株にのみなる
・花の時期は6月の後半から7月にかけてだが、真冬から蕾がスタンバイしている(花はクリーム色の小さい花)
・名前の由来は、“香りが石斛に似た木”⇒木斛
・花言葉は<人情家>で、実は縁結びの木?!
・葉は深緑の全縁で、光沢がある、いかにも“ツバキ科”というような特徴がある
・ハマキムシという虫の被害に遭いやすく、炭疽病やスス病などのメジャーな病気にかかりやすい
・南西諸島を含む日本列島、朝鮮半島南部、台湾、中国を経て東南アジアからインドに至る暖地の海岸近くに自生
以上がモッコクについてのまとめです♪
もしこのような特徴のある木があったら、それはモッコクかもしれません!
是非チェックしてみてくださいね♪
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!
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