エゾマツってどんな木?トドマツとの違いは?花や実、葉の特徴も紹介!
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こんにちは!樹木博士です!
今回は「エゾマツ」について解説していきます!
さて、エゾマツがなんでこんな名前になったのか知っていますか?
その答えは「エゾマツ」という名前をしっかりと分析すればわかりますよー!
あなたに伝えたいこと
エゾマツの特徴は?どんな木なの?名前の由来は?
「ウィキペディア」より引用
エゾマツ(蝦夷松、学名:Picea jezoensis)は、マツ科トウヒ属の常緑針葉高木です。
“常緑針葉高木”と漢字ばかり並べてしまうと分かりづらいのですが・・・
常緑とは、“常緑樹”のことで、1年中緑の葉を付けている樹木のことですね!
そして、針葉とは“針葉樹”のことで、固く細い針状、あるいはうろこ状の葉のことを指します。
円錐形または傘形をしていて、木のてっぺんがとがった形のものが多いんですよ!
更に “高木”とあるように、樹高が10mを超える木ということです。
つまりは、1年中緑の葉を付けた、固い針状の葉を持った10m以上の木ということです!!
ちょっと長くなってしまいましたが、エゾマツは大きいものでは樹高40 m、幹の直径は1 m以上に達する大木です。
そんな大きなエゾマツですが、実はとっても成長の遅い木のため、木材に使用する目的で植林されることはめったにありません。
けれども、もちろん材木として使用されることもあり、建築(パルプ)や器具、楽器など幅広い用途に使われます。
冬には、真っ直ぐ伸びた幹を活かして、立派なクリスマスツリーとして活躍しますよ♪
エゾマツの樹皮は黒褐色でうろこ状に割れ目が入るのが特徴なのですが、その年に伸びた部分(当年枝)の表面は滑らかでやや淡色なんですよ!
エゾマツの由来はその名の通り、蝦夷(北海道の旧称)に生じるマツの仲間であるところからきています。
北海道の山地に数多く見られ、エゾマツが集まってできた黒々とした森は、なんとも言えない独特な雰囲気ですよ。
エゾマツとトドマツの違いや見分け方は?アカエゾマツとの違いも解説!
一括りにマツと言っても、様々な種類があるんですよ!
今回はエゾマツ、アカエゾマツ、トドマツの違いをご紹介します。
エゾマツの近縁種にアカエゾマツというものがあり、それらを含めてエゾマツと呼ばれるため、そのような時にはエゾマツのことを“クロエゾマツ”と呼びます!
では、さっそくそれぞれに違いについて比較していきたいと思います!!
◆樹皮の違い(色,表面,その他特徴)
・エゾマツ:黒褐色,不規則な鱗(りん)片状で薄くはがれる,老木では深く割れる
・アカエゾマツ:黒赤褐色,エゾマツに比べ鱗片が大きく,はがれやすい
・トドマツ:灰白色,平滑で薄く軟らか,地衣類の付着が良く見られる
エゾマツの樹皮は黒く、アカエゾマツはやや赤いので見分けやすいですね!
◆葉の違い(長さ,先端,先端に触るとどうか)
・エゾマツ:長い,尖っていて断面が扁平,触れると痛い
・トドマツ:長い,へこんでいる,触れても痛くない
・アカエゾマツ:エゾマツやトドマツに比べて短い,やや尖っている,触れても痛くない
エゾマツやトドマツは直線的な葉をしている一方で、アカエゾマツはややカーブしているので、見分ける特徴となりますね!
◆枝の向き
・エゾマツ:下向きに垂れ下がる
・トドマツ:水平か斜上する。老齢樹ほど下部の枝は垂れ下がる傾向がある。
・アカエゾマツ:上部で斜上するが下部では水平か、やや下向き。
エゾマツとアカエゾマツを枝で見分けることは難しそうですね…。
◆実のつき方
・エゾマツ:枝に垂れ下がるようにしてつく。
・トドマツ:上向きにつく。
・アカエゾマツ:枝に垂れ下がるようにつく。
エゾマツの花の特徴や開花時期は?
エゾマツは5月~6月にかけて花が咲きます!
花が咲くといっても、「わ~!花が咲いた~!美しいわぁ~」というタイプの花ではありません。
↓↓エゾマツの花はこちらです↓↓
ちょっと、想像している“花”とは違いますよね。
エゾマツの花は雌雄異花(しゆういか)といって、オスの花の“雄花”とメスの花の“雌花”が存在するんです!
そして、雌雄同株(しゆうどうしゅ)といって、雄花と雌花が一つの株に咲くタイプの植物なんですよ!
それぞれ特徴があって、雌花(メスの方)は小枝の先につき、長さ約2~2.5㎝の紅紫色の花です♪
その一方で、雄花(オスの方)は楕円形のオレンジ色の花で、長さ1.5~2㎝と雌花よりもやや小ぶりです。
黄色い花粉を出すのが特徴ですよ♪
1本の木から雌花・雄花を見つけるのも楽しそうですね!
エゾマツの実の特徴や時期は?
秋になると3~6㎝ほどの球果をつけます。
そうです!マツといえば“アレ”ですよね!
まつぼっくりです!!
このまつぼっくりは、できはじめは葉の上に立っているんですが、すぐにぶら下がるようになるのが特徴なんですよ♪
若いまつぼっくりは紅紫色をしていますが、熟すと黄褐色になるんです!
また、まつぼっくりは実なので、種があるはずなのですが、なかなか見当たりませんよね。
実は、まつぼっくりの傘と傘の間に“松の実”といわれる種が入っているんですよ!
落下したまつぼっくりはもう種が出たあとなので見つけるのは難しいですが、落下前のものにはしっかりと種がありますよ♪
余談ですが、開いて落下したまつぼっくりを水につけると、キュッと閉じるのをしっていますか?
筆者は子どもによく「魔法だよ~!」と言って見せていました(笑)
是非秋になったらお試しあれ♪
エゾマツの葉の特徴は?
葉については先ほどサラッと触れましたが、エゾマツの葉の長さは1~2㎝で、葉先が尖っているのが特徴です。
先端がとがっているので一見痛そうですが、実は触るとやわらかいんですよ!
でも、不意に触るとやっぱり痛いです(笑)
葉の表面には光沢がありますが、裏面は白っぽくなっています。
青虫の背と腹といったところでしょうか。
エゾマツはどこに分布しているの?
エゾマツは、千島列島、樺太、渡島半島以外の北海道、中国東北部、シベリア東部、カムチャツカなどに分布しています。
エゾマツは浅根性(せんこんせい)といって、横に浅く広がる性質を持ち、細かな根(細根)をたくさん持っているので、養分への要求度が低い植物なんです。
そのため、環境への適応性が比較的高いので、低地から標高1500m前後まで広く分布しているんですよ!
庭木にしたり、クリスマス・ツリーにしたりして楽しむこともできますよ!
なかなか見られる範囲が限られている木ですが、北海道に行った際には是非見てみたいですね!
まとめ
いかがでしたか?
ここまでエゾマツについて解説してきました。
筆者は北海道で植物といえばラベンダーというイメージがありましたが、解説を通して北海道=エゾマツに変わりました。
是非是非、真冬の北海道でエゾマツのクリスマスツリーを拝みたいです!!!
最後に、エゾマツ探索に行っても、しっかりと見つけられるように、まとめて終わりたいと思います。
・マツ科トウヒ属の常緑針葉高木
・エゾマツは大きいものでは樹高40 m、幹の直径は1 m以上に達する
・由来は蝦夷(北海道の旧称)に生じるマツの仲間からきている
・5月~6月にかけて花が咲き、1つの木にオスとメスの花がある
・秋になると3~6㎝ほどの球果(まつぼっくり)がなる
・普段落っこちているまつぼっくりは熟したもので、若いまつぼっくりは紅紫色
・葉の長さは1~2㎝で、葉先が尖っている
・千島列島、樺太、渡島半島以外の北海道、中国東北部、シベリア東部、カムチャツカなどに分布
これで、しっかりとエゾマツを探すことができますね!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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どうも!樹木博士です!樹木にハマってから早40年以上。
小学生のときから、なぜか樹木が大好きでした。周りの子たちが スポーツやら恋愛やら遊びやらに励む中、私だけは樹木に夢中。
そんな風に育ったので、もちろん青春と呼べるような経験はほとんどありません。ただ、樹木に関しての知識や経験はたっぷりですw
樹木事典では私の樹木人生で得た知識や経験などを惜しみなく公開していきます!
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